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北朝鮮が爆破した豊渓里核実験場の復旧に拍車、3番坑道の「近道」を掘削

北朝鮮が爆破した豊渓里核実験場の復旧に拍車、3番坑道の「近道」を掘削

Posted March. 28, 2022 08:51,   

Updated March. 28, 2022 08:51

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北朝鮮が、「怪物大陸間弾道ミサイル(ICBM)」である「火星(ファソン)17」挑発で核実験・ICBM発射モラトリアム(一時停止)宣言を破棄したのに続き、咸鏡北道吉州郡(ハムギョンプクト・キルチュグン)の豊渓里(プンゲリ)核実験場の復旧作業にスピードを出していることが確認された。韓米情報当局は、早ければ来月中旬にも核実験を強行する可能性がある有力な兆候と見ている。北朝鮮が韓国の新政権発足前に、核・ICBMモラトリアムを完全に無視する「瀬戸際戦術」に出る可能性があると懸念されている。

● 3番坑道につながる「近道」で工期短縮

 

27日、軍当局によると、北朝鮮が2018年5月に海外メディアを招待して「爆破イベント」を演出した豊渓里核実験場の3番坑道で、新しい通路を掘削する動きが捉えられた。爆破で崩れ落ちた坑道の入口と進入路を補修する代わりに、坑道内部への近道を作る作業が行われているのだ。今月初めには、3番坑道の入口に多くの人員や装備が投入され、復旧の動きが観測された。しかし、最近になってこの作業は中断され、坑道の側面から新しい通路を掘削する動きが偵察衛星によって捉えられたと、軍消息筋は伝えた。

韓米情報当局は、短期間に坑道の復旧を完了して核実験体制を整える動きと判断した。また別の消息筋は、「現在の作業速度で見ると、早ければ1ヵ月ほどで復旧が終わる可能性もある」と指摘した。早ければ故金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日(4月15日)や人民軍創建日(4月25日)の前後に7回目の核実験を強行する可能性も排除できないということだ。

3番坑道の内部は、進入路を経て2路に分かれる「枝坑道」だ。18年の爆破ショーで、入口から枝坑道の直前まで約100メートルの区間が崩壊したと軍は見ている。また、坑道内部には、核実験による放射能の残骸物の流出を防ぐ約10個のコンクリート遮断壁が設置されている。政府筋は、「北朝鮮は、これまで核実験をしたことがない3、4番坑道の中でより堅固な3番坑道を7回目の核実験の場所に選んだようだ」と指摘した。

●核・ICBM 「時間差挑発」強行の可能性

 

豊渓里核実験場には4つの坑道がある。1番坑道は06年の1回目の核実験後に閉鎖され、2番坑道は17年の6回目の核実験の影響でほぼ破壊し、使用が不可能な状況だ。3、4番坑道は95%以上完全に残っていると、韓米情報当局は把握している。2つの坑道の奥にある起爆室が全く損傷していないことから、復旧後、計測装備だけ持ち込めば、いつでも核実験を再開できる状態だという。米情報当局も、約2キロ区間の3、4番坑道のいずれも再建作業をすれば、最大200キロトン(1キロトンはTNT火薬で1000トンの爆発力)級の核実験が可能だと判断している。これまでの北朝鮮の最も強力な核実験は、水素爆弾を利用した6回目の核実験(約150キロトン)。

 

北朝鮮が過去にも1~2ヵ月の間隔を置いて核実験とICBM発射を行ったことから、7回目の核実験は時間の問題という観測も流れている。24日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の立ち会いのもと、火星17を発射したことが、7回目の核実験の予告篇ということだ。北朝鮮は12年、長距離ロケット「銀河(ウンハ)3」発射の2ヵ月後に3回目の核実験を強行し、16年には4回目の核実験の1ヵ月後に長距離ロケット「光明星(クァンミョンソン)」を発射した前例がある。長距離ロケットとICBMは基盤技術が同じで、いつでもICBMに転用することができる。

一部では、北朝鮮が豊渓里で、正恩氏が昨年の初めに開発を指示した戦術核弾頭を実験するという観測も流れている。「怪物ICBM」で米本土攻撃の脅威を誇示したのに続き、北朝鮮版イスカンデル(KN23)など短距離ミサイルに装着できる小型核兵器を完成させ、対南核攻撃の脅威まで実証するということだ。


尹相虎 ysh1005@donga.com