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医者の言うことを聞かない患者には理由がある

医者の言うことを聞かない患者には理由がある

Posted March. 19, 2022 08:27,   

Updated March. 19, 2022 08:27

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糖尿薬と血圧薬を飲む患者にコレステロール薬まで服用することを指示すると、患者が感じるプレッシャーは単に錠剤1個の重さではない。毎日目を覚ましたらまず薬を用意しなければならず、もし薬を用意せずに外出した時は、一日中不安感に苦しめられる。「薬を飲む自分」から「徐々に枯れていく自分」を感じるようになり、絶望に陥る情緒的問題は錠剤だけでは解決されない。

医師は、患者が治療過程で理性的な判断を下すことができないのは、正確な情報が不足しているからだと考える傾向がある。しかし、正確かつ明確な情報を手に入れても、医者が考える最善の選択をしない。効能がはるかに改善された新薬が出ても、既存の薬を望む患者は効能が多少弱くても長期にわたって検証された薬が良いと思う。

本を書いたハーバード大学医学部教授たちは、病気の治療を受けようとする患者たちに6つの類型が見られたと分析する。△どんな治療でも、できるだけ最小限に抑えようとする「最小主義者」、△健康のために最大限の試みをする「最大主義者」、△医師の勧めをまず疑う「疑う者」、△医師の言葉なら信じて従う「信じる者」、△体が自らの力で直す「自然主義者」、△最新の医学技術に全面的に従う「技術主義者」だ。

様々な治療法が溢れる現代社会において、正しく健康情報を活用できる能力のことを意味する「ヘルスリテラシー」への関心も高まっている。著者たちは多様な患者の治療ケースを具体的に紹介し、読者に、本人はどの類型に当たるのか、最もよく合う最善の治療は何かを考えさせる。


鄭盛澤 neone@donga.com