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ロシアへの送金の道が閉ざされ、企業と海外同胞の被害が拡大

ロシアへの送金の道が閉ざされ、企業と海外同胞の被害が拡大

Posted March. 10, 2022 08:34,   

Updated March. 10, 2022 08:34

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韓国とロシアを行き来しながら生活しているユン・テホさん(58)は3日、韓国の都市銀行を通じて、ロシアに残っている家族に約50万ウォンを送金した。ユン氏から送金された地元銀行は、ロシア最大手の民間銀行「アルファバンク」だった。ここは韓国や米国などの制裁対象にまだ含まれていない。

しかし、ロシアにいる家族は、9日までお金をもらえなかった。ユン氏は、「銀行からも、いつ送金が完了するのか確答をしてくれない状況だ」とし、「制裁対象の銀行でもないのに、送金が滞るので、お金を送る方法がなくてもどかしい」と吐露した。

ロシアへの金融制裁の影響で、制裁対象に含まれなかったロシアの銀行との金融取引まで中断している。ロシアの現地と輸出入代金や生活費などをやり取りしなければならない企業や個人は、送金の道が事実上閉ざされ、被害が広がっている。

9日、金融界によると、現在、韓国政府の金融制裁の対象か、または国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)網から漏れたロシア金融機関は計12カ所。ロシア中央銀行やロシア国富ファンドの国家福祉基金(NWF)、直接投資ファンド(RDIF)、ロシア、スベル銀行、VEB、プロムスビャジ銀行(PSB)、VTB、Otkritie、ソブコム、ノビコム、ロシア銀行などだ。

原論的には制裁対象に含まれていない銀行を利用すれば、ロシアへの送金などの金融取引は可能だ。しかし、各都市銀行は、非制制銀行との金融取引まで事実上阻止している状態だ。非制制銀行に送った金が制裁対象に流れるなど、不法金融取引に関与すれば、米司法当局の処罰を受ける恐れがあるからだ。実際、IBK企業銀行が、イラン制裁と関連して、このような容疑で約1049億ウォンの罰金を科された前例がある。

韓国の都市銀行から非制裁銀行に送金しても、中間段階にあるシティ銀行やバンクオブアメリカ(BoA)などの米仲介銀行が送金を食い止めることもある。ある都市銀行の関係者は、「制裁対象が追加されるなど、不確実な状況なので、仲介銀行で取引を遅らせたり代金を凍結する事態がよく起きている。銀行としては、ロシアに関連するすべての金融取引を避けるほかない」と説明した。

ロシア人の留学生や韓国人の被害が広がっている。ロシアに留学中の30代クォン某さんは、「韓国から送金される生活費で暮らしてきたが、送金してもらうこともできず、カードの決済もできないので、支出を最小限に抑えながら耐えている」と話した。彼は現在、韓国や第3国に行くための航空便を調べている。昨年、国内の主要都市銀行を通じて、ロシア留学生や駐在員に送金された資金規模は624万7438ドル(約77億ウォン)だった。


ソン・ヘミ記者 1am@donga.com