Go to contents

感染者急増が予告されていたにもかかわらず混乱招いた間抜な選管

感染者急増が予告されていたにもかかわらず混乱招いた間抜な選管

Posted March. 07, 2022 08:49,   

Updated March. 07, 2022 08:49

한국어

新型コロナウイルスの感染者・隔離者に対する第20代大統領選挙の期日前投票最終日の5日、全国各地の投票所は大混乱となった。感染者が投票した投票用紙を投票箱に直接入れず、選挙補助員が段ボール箱やゴミ袋、籠などに入れて運び、有権者が激しく抗議した。感染者にすでに記票済みの投票用紙を配るなど呆れた事態も起こった。投票をあきらめて帰宅する人もいた。

 

今回の事態は、選管の安易な態度と不十分な準備が原因だ。今回の大統領選は、2020年4月15日の国会議員総選挙、昨年4月7日のソウル・釜山(プサン)市長再・補欠選挙に続き、新型コロナ禍での3回目の選挙だ。当時は、1日の感染者がそれぞれ27人、653人だった。しかし、オミクロン株の感染拡大で、今年1月には、大統領選を前後して20万人以上の感染者が出ると予想されていた。このため、政界からも備えが必要だと指摘されてきた。にもかかわらず、先月国会に出席した中央選管事務総長は、「最悪の状況に備えた総合対策が設けられている」、「細かく準備されている」と述べた。いったい選管はこれまで何の準備をしたのか問わざるをえない。

選管は、感染者の投票用紙のずさんな管理について、「各投票区で同時に2個の投票箱を使うことはできない」という公職選挙法の規定を言い訳にしている。規定どおりにしても、感染者と非感染者の投票時間を別にしたり、感染者の投票所を別に指定すれば簡単に解決できる問題だ。予想シナリオの対応マニュアルを配布し、選挙補助員に対する事前教育を十分にしていたなら、混乱は減っただろう。しかも選管は、感染者の投票申請を受けず、何人の感染者が期日前投票をしたのかまだ集計すらできていない。選管が基本中の基本も守らなかったということが露わになったのだ。

与野党は、真相の究明と共に厳しく責任を問うことを求めている。選管は6日、「非常に残念で恐縮している」と謝罪しながらも、「絶対、不正の素地はなかった」という立場文を出した。中央選管の盧貞姫(ノ・ジョンヒ)委員長は5日は出勤すらせず、立場文も委員長でなく選管の名義だ。選管が、今回の事態の重大さをしっかり認識しているのか疑わしい。接戦を繰り広げている大統領選でのずさんな管理は、選挙後に不服論議を招く恐れがある。期日前投票よりも多くの感染者が参加する9日の本投票では、今回のような事態が再発しないよう徹底して準備しなければならない。