Go to contents

韓中関係600年、厳たる歴史の教訓

Posted February. 26, 2022 08:21,   

Updated February. 26, 2022 08:21

한국어

「民主主義国家である韓国が共産主義独裁体制の中国より日本を牽制するのはナンセンスだ」

民主主義国家間で戦争をしないといういわゆる「民主平和論」を支持する自由主義国際政治学者は、東アジアの国際関係でいつも疑問を提起する。地域覇権を狙う中国に対抗して韓国と日本が連帯して勢力の均衡を追求しないのは、現実主義から見て不可解ということだ。このような疑問の背景には当然「歴史」という変数が決定的に作用する。数千年にわたる中国との交流と19世紀末の日本帝国主義の侵奪だ。

前作『グローバル冷戦史――第三世界への介入と現代世界の形成』(エコリブル)で世界的な冷戦史の研究者として名を馳せた著者は、同書で韓中関係600年を振り返り、両国関係の特殊性に注目する。特にタイトルにも出てくる「義」は、垂直的秩序を通じた正しさを追求する性理学の概念で、韓中関係で「複合主権」を生んだという。複合主権とは、垂直的な朝貢秩序で宗主国に対する礼を強調するものの、国内政治では徹底した自主権が保証されたことを意味する。これは19世紀以前まで数百年にわたって東アジアに平和をもたらした核心要因だったというのが著者の見解だ。

 

問題は、両国の国力が強くなり、近代民族主義が強まるにつれ、このような協力体制の作動が難しくなったことだ。しかも、北朝鮮の核危機が続く局面で米中対立まで激しくなり、韓半島の安全保障を不安にさせている。著者は、北朝鮮体制の崩壊といった急変事態で、中国が韓半島に伝統的に抱いてきた家父長的認識が作動する可能性があると指摘する。中国が、中朝国境地域で緩衝地帯を確保するために軍事介入する可能性が高いということだ。

では、過去の朝貢秩序に絶対回帰できない21世紀に、韓国はどの方向に進むべきなのか。著者は、中国人よりも清帝国を正確に把握していた朝鮮エリートの認識に注目している。無条件の反中や反日を越え、近隣諸国の意図を正確に把握することが優先されるのではないか。


金相雲 sukim@donga.com