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レディー・ガガのタトゥー

Posted February. 23, 2022 08:22,   

Updated February. 23, 2022 08:22

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作家の作家、芸術家の芸術家である人たちがいる。ライナー・マリア・リルケもそのような作家の1人だ。作家だけでなく、マリリン・モンローやダスティン・ホフマンのような俳優までが彼を敬った。

歌手のレディー・ガガは、腕にリルケの言葉のタトゥーを入れた。実は、彼女のタトゥーは、リルケの手紙に出てくるドイツ語の文句だ。その手紙のどのようなところが、彼女を魅了させたのだろうか。27歳の若い詩人が書いた手紙がどれほど奥深く、一生消えないようにタトゥーを入れたのだろうか。「真夜中に自分に聞いてごらんなさい。文を書けなくなったら死ぬつもりか」。彼女は、「芸術は単なるロマンや鑑賞ではなく、死に物狂いでやるべきものだ」というリルケの言葉から、真の芸術精神を見たのだ。

それは、リルケが、軍事学校に通っていた19歳の詩人志望生からもらった手紙に、返事する際に言った言葉だ。詩人志望者は、気質的に軍事学校に合わずさまよっていた。リルケも以前はそうだった。両親の強要で軍事学校に通ったが、5年間の学校生活は彼に絶望と傷だけを残した。結局、彼はすべてをやめて、詩人の道に進んだ。詩人志望生が、学校の先輩であるリルケに、詩人としての人生について助言を求めたのは、だから適切だった。するとリルケは、「詩人になりたいのなら、死に物狂いでやらなければならない」とし、「内面を覗き、詩か死を選ぶ決意があるかどうか確認せよ」と語った。気をくじこうと言ったのではなかった。それは若い詩人のリルケが、自分に向けて言った言葉でもあった。実際、彼は死に物狂いで2000本以上の詩を書いた。詩はまさに彼の実存だった。

リルケが詩人志望生のフランツ・クサバー・カプスに送った10通の私的な手紙は、彼が世を去った後、「若き詩人への手紙」として出版され、公的な手紙となった。多くの芸術家たちが、その手紙が自分に届いたと想像するようになった理由だ。レディー・ガガもそうだった。彼女は、タトゥーを入れて誓った。リルケを見習おうと、「声がすなわち実存」になるまで熾烈に生きると。