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遊説バス死亡事故、お祭り騒ぎの選挙運動を見直す契機にすべきだ

遊説バス死亡事故、お祭り騒ぎの選挙運動を見直す契機にすべきだ

Posted February. 17, 2022 08:33,   

Updated February. 17, 2022 08:33

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野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)大統領選挙候補の遊説バスで運転手と選挙運動員の2人が一酸化炭素中毒で死亡した。江原道原州市(カンウォンド・ウォンジュシ)でも似たような事故で運転手が重態に陥った。大統領選挙の選挙運動が正式に始まった昨日の出来事だ。遊説バス外部の発光ダイオード(LED)電光板に必要な電源としてバスに発電機を設置したが、そこから排出された無色・無味・無臭の一酸化炭素であっけない惨事に遭ったと推定される。

LED電光板と発電機が規定通りに設置・運営されたのか、一酸化炭素発生の可能性と注意事項が使用者に伝わったのかなど、事故原因と責任の所在を明確にしなければならない。他の候補も似たような選挙運動を繰り広げていることから、今からでも安全点検に万全を期すべきだ。光の速度でコミュニケーションと広報方式が変化する今の時代に、どうしてこのようなとんでもない事故が起こったのか、選挙運動の方式自体に問題があるのではないか、深く考える必要がある。

公式選挙運動中には遊説車や拡声器を使って演説を行うことができ、音楽も使える。しかし、いまや第4次産業革命時代だ。各党と候補は、これまでAIやメタバースなどを活用した最先端の選挙運動方式を競って披露するかのように見えたが、いざ公式選挙運動が始まると、過去のアナログ選挙のやり方を繰り返し、今回のようなとんでもない出来事が起きたのではないか。

さらに、オミクロン株の拡大で、感染者が引き続き倍増しており、新規感染者が1日9万人に達する危機まで迎えている。まだ午後9時までとなっている営業規制指針は維持されており、私的な集まりも自粛しなければならない状況だ。いくら大統領選挙とはいえ、自営業者には苦痛を甘んじて受け入れるべきだと主張しながら、政治は、より多くの人が集まるほどよしとする遊説方式に拘るのでは、筋が通らない。

安哲秀氏は選挙運動を全面中止し、他の候補も昨日1日は「ダンス遊説」を中止し、ロゴソングを流さないなど、選挙運動を自粛する姿勢を見せた。これを機に「対面」方式に遊説方式を転換するのはどうか。より多様で深みのある両者、多者間のテレビ討論を活性化し、ニューメディアの発達に合わせて、より迅速かつ効果的に有権者に寄り添う方法を講じなければならないということだ。