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リーダーの徳目

Posted February. 15, 2022 09:05,   

Updated February. 15, 2022 09:05

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米海兵第1師団第5連隊は、韓国戦争当時、長津湖(チャンジンホ)戦闘で血戦を繰り広げた連隊だ。太平洋戦争では、ガダルカナル、ペリリュー、沖縄で戦った。第5連隊所属でペリリューと沖縄戦闘に従軍したユージーン・スレッジ氏は、「太平洋戦争」という貴重な回顧録を残した。

この回顧録に、ホールデン大尉という中隊長が登場する。すべての中隊員が「船長」と呼び、彼を尊敬した。スレッジ氏は中隊本部に行ってホールデン大尉が砲兵隊に、中隊塹壕に約10発の砲撃を要請するのを目撃した。砲兵将校はなぜ理由もなく砲撃するのかと尋ねた。ホールデン大尉は「中隊長が常に兵士の安全に関心を持っていることを伝えたい」と答えた。その話を聞いた中隊員は皆感動する。忙しくても中隊員1人1人に関心を持って事情を聞き、彼らのために最善を尽くす中隊長。生存した将校も、ホールデン大尉が最高の中隊長だったと賛辞を送った。残念なことに、彼はペリリュー戦闘の終結を目前にして戦死した。

韓国戦争に参戦したフランス大隊には、韓国軍で構成された中隊があったが、その中隊長がグフィル大尉だった。第2次世界大戦から従軍した彼は、戦闘経歴10年のベテランだった。フランス大隊でも最古参中隊長で、将校も彼を尊敬した。韓国の兵士にはほとんど神だったという。

中国共産軍と繰り広げた初の戦闘で皆が疑わしく思う韓国兵士を立派な兵士だと推薦して戦闘に投じ、その後、フランス兵士と同等の待遇を受けて戦えるようにしたのがグフィル大尉だった。グフィル大尉は、断腸の稜線において迫撃砲で戦死した。生存した部隊員が皆最高の中隊長だったと称えるこれらの共通点は何だろうか。兵士を尊重し親切で、彼らを自身の出世や光栄のための手段と見なさず、中隊長として自身が隊員のためにできる最善の方法を絶えず模索して実践する。私たちにはこのようなリーダーはいないのだろうか。否、ありふれている。神の祝福なのか、実にありふれている。選挙シーズンになれば、皆このようなリーダーとなる。