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「症状が悪化しても連絡先が分からない」セルフ治療初日に混乱

「症状が悪化しても連絡先が分からない」セルフ治療初日に混乱

Posted February. 11, 2022 08:49,   

Updated February. 11, 2022 08:49

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8日、新型コロナウイルス感染症の感染判定を受けたアン某氏(30)は、咳や痰の症状がひどかったが、感染3日目の10日まで、病院での診療を受けることができなかった。保健所から、対面診療が必要な時に訪問できる外来診療センター2カ所を教えてもらったが、近いところでも2.7キロも離れており、乗用車のないアン氏は、訪問する考えすらできなかった。アンさんは、「非対面治療が可能な町内病院があるということをニュースで見て知っていたが、どこの病院が診療が可能なのか分からず、連絡できなかった。一人暮らしをしているのに常備薬もなく、何もしないでいる」と話した。

●非対面診療を断られて独自に処方

防疫当局は10日から、新しい「新型コロナ」患者の在宅治療体系を導入した。高リスク群ではない者は、定期モリタリングなしに、必要に応じて町内の病院や医院で処方や相談を受けるか、24時間運営する在宅治療医療相談センターを利用しなければならない。体温計や解熱剤などの必要物品が入っている新型コロナ向け在宅治療キットも提供されない。しかし、このように変わった管理体系が在宅治療者に伝わらず、混乱が起きている。非対面診療関連の案内をまともに受けていないか、非対面治療が可能な町内病院などにも診療電話が殺到して、なかなかつながらないなど混乱している。

9日に感染診断を受けたパク某さん(54、ソウル陽川区在住)は10日、発熱がひどく呼吸異常が感じられ、非対面診療が可能だと案内された病院に連絡したが、「診療は難しい」との回答を受けた。パクさんは、「その病院に診療記録がないという理由で診療を断られた。診療記録のある病院に連絡して、診療を受けるように言われた」と話した。同日に感染診断された就活生のイさん(25)は、「のどの痛みがひどくなり、リストの病院に電話をかけたが出なかったため、結局家にある常備薬で『自分で処方』した」と話した。

混乱が続いているが、まだ在宅治療の手引書も公開されていないのが現状だ。防疫当局は、「在宅治療の手引書は、来週初めに公開される予定だ」と明らかにした。

●リストに誤って掲載された病院も多数

非対面診療を受け持った病院も、混乱しているのは同じだ。ソウル瑞草区(ソチョグ)の呼吸器専門クリニックは、「新型コロナの検査のために病院を訪れる人が多い上、治療を望む電話まで殺到し、非対面電話治療の場合は基本的に30分から1時間以上待たされる」と案内した。ソウル城東区(ソンドング)で呼吸器専門クリニックを運営するA院長は、「すでに患者の状態や基礎疾患などを知っている時でも、対応に少なくとも10分以上はかかる。電話で初めて診療を受ける患者は、時間もかかり、正確な情報把握にさらに時間がかかる」と説明した。

非対面診療機関のリストに載っているが、電話に出なかったり、「リストに間違って載っている」と説明する病院もあった。健康保険審査評価院(審評院)の電話相談や処方地域の病院リストに載っている蔚山(ウルサン)のある病院の関係者は、「われわれは新型コロナの検査だけを行っている。非対面診療をすると言ったことはないが、リストに間違って載った」と説明した。

診療機関の種類が多すぎることも、混乱を拡大させる要因となっている。審評院のホームページに掲載された医療機関の種類だけで、呼吸器専門クリニックや呼吸器診療指定医療機関、電話相談処方の町内病院、在宅治療医療相談センター、在宅治療管理医療機関の計5種類もある。この他、選別診療所や臨時選別検査所、PCR検査機関、迅速抗原検査機関などまで合わせると、お互いに異なる機能をする医療機関だけで10種を越える。とある感染者は、「インターネットで非対面診療機関を探したが、種類があまりにも多く、指す用語が不慣れでどこに連絡すればいいのか分かりにくい」と不満をもらした。


チョ・ウンヒョン記者 ユ・チェヨン記者 ycy@donga.com