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華やかな都市の裏

Posted February. 10, 2022 08:38,   

Updated February. 10, 2022 08:38

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思想や行動の違いで分かれた集団を「派」という。印象派、野獣派、立体派など美術史には様々な画派が存在する。米国ではアシュカン派(Ashcan School)もあった。芸術家集団の名前が「ゴミ箱派」とは!この印象的な名前は、ジョージ・ベローズの絵に由来した。3人の浮浪者が灰皿を探すドローイングだ。

アシュカン派は19世紀末から20世紀の始めに、ニューヨークを中心に活発に活動した。彼らは当時、画壇の主流だった印象派や保守的なアカデミズムの芸術を拒否し、米国的な特色ある絵を描こうとした。ベローズが30歳に描いた絵はアシュカン派の特徴を示す代表作だ。

真冬、ブルックリンの波止場のほとりで、労働者たちが落ち着かない様子で立って何かを待っている。今日は仕事があるだろうか。彼らが得た仕事は、停泊した船の馬と貨物の荷役だ。低賃金だが、それさえも仕事を得ることは容易ではない。左側の男は、仕事が見つからなかったのか、うなだれている。彼を見つめる仲間の心も穏やかではなさそうだ。川の向こうのマンハッタンには、富裕層が暮らす華やかな高層ビルが立ち並んでいる。そのビルを建てた労働者は、生涯夢見ることもできない家だ。荒く冷たい川の水は、都市の貧民と富裕層を徹底して分ける境界の役割を果たす。希望を失った彼らに、人生は灰皿に捨てられたタバコの灰のように灰色ではなかっただろうか。このように画家は貧しい労働者の姿を通じて、華やかな都市ニューヨークの裏を写実的に見せている。

ベローズは43歳で死去したため、生前には偉大な画家の隊列に入ることはできなかった。アシュカン派の絵も立体派と野獣派に押され、すぐに時代遅れと見なされた。しかし、ベローズは今20(21?)世紀始め、最も重要な米国の画家として認められている。2014年、ロンドンのナショナル・ギャラリーはこの絵を2550万ドルで購入した。英国立美術館が収集した初の米国の主要作家の作品だった。