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紙の生命力

Posted February. 07, 2022 08:35,   

Updated February. 07, 2022 08:35

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「私たちは、紙のないオフィスの話を聞いているが、一度も見たことはない」。(アレサンドロ・ルドヴィコの『ポストデジタルプリント:1894年以来の出版の突然変異』)

本とガンは、似たような境遇ではないかと思ったことがある。「まもなく消える」という話を聞いてから数十年も経ったようだが、まだ死んでいないという点で…。2012年12月24日、米ニュース雑誌「ニューズウィーク」が、ツイッターアカウントに1枚の写真を掲載した時は、今度は本当に「終わり」かもしれないという気がした。何よりもその雰囲気が非常に悲壮で劇的だったからだ。ツイッターにはこのように書かれていた。「#LAST PRINT ISSUE(最後の印刷版)」。だが、紙印刷はその後も続き、10年近く経った今も同じだ。

書籍や紙が一連の電子機器に取って代わるという見通しは、以前から続いている。科学者と未来学者たちは、図書館が音声貯蔵所になるという展望、本が光学機器に取って代わるという展望を繰り返した。もちろん、その一部は実現した。電信やマイクロフィルム、ラジオ、テレビ、そしてインターネットなどがそれだ。

情報を伝える新しい媒体が登場し、大衆化する度に、人々は真っ先にこのように叫んだ。「もうすぐ紙と本は消えるだろう!」。しかし、どうだろうか。「紙の力」は依然として残っている。今、世の中はより速く変化している。仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などに、コンテンツ配信の方法は拡張されている。このような新技術導入の知らせを聞くと、たまには紙の本をデザインする自分の立場が哀れに感じられる。しかし、なかなか消えないがん細胞のように、紙の生命力も粘り強いだろう。「紙の死亡」について、うかつに弔意金を準備する時でもない。