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生まれ変わったら

Posted January. 26, 2022 08:36,   

Updated January. 26, 2022 08:36

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生きていれば、一度は人から受けるか、自分からする質問がある。生まれ変わったら、どう★生きたい? 笑い話だが、世の中を十分に生きていない子供や若者にはできない質問。

大河小説「土地」を書いた朴景利(パク・キョンリ)作家も、生前、そんな質問を受けた。氏は、その経験を「仕事のできる男」という題名の詩で残した。氏は、若者たちが集まった席でその質問を受け、「生まれ変われば/仕事のできる男に会い/深く深い山里で/農業をして暮らしたい」と述べた。素朴な人生に対する懐かしさを込めた、軽くて深い回答だった。

ところが、人々は帰り道にその言葉を思い出して泣いたと言った。作家は、彼らがなぜ泣いたのか知りたかった。「一人で生きて、一人で残った」自分がかわいそうだったのだろうか。氏は20歳の時に結婚し、24歳の時に戦争で夫に死なれ、一人で2人の子どもを育てなければならなかった。氏を偉大な作家にした小説は、実は氏にとっては生活のためのツールだった。氏は今や80歳を超えた老人になった。人々は、「愛する人と田舎で仲良く暮らしたい」という氏の言葉から、氏のつらい人生を思い浮かべて泣いたのかもしれない。すると、彼女は憐憫の対象になったということだ。その可能性もあるだろうと思った。

そのように考えているうちに、ふと彼女は必ずしもそうでもなかっただろうと思った。「誰でも本質に向かう回帰本能/誰でも純理に対する懐かしさ/そのために泣いただろう」。自分の言葉が、人々の中の回帰本能と懐かしさを刺激したと考えたのだ。彼女が、また別の詩「憐憫」で描写したように、いくら貧しくても愛する人と「葦を折って屋根をのせて」幸せに暮らしながら、時には「密猟者の手首を折って/鳥たちを守って」生きたい気持ち、そういう気持ちは誰にもあるかもしれない。人々は、それで泣いたのだろう。作家は、自分に対する憐れみを、素朴な人生に対する普遍的な懐かしさの問題に置き換えた。ところで、本当に生まれ変わったら、私たちはどんな人生を生きたいのだろうか。