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結局11兆ウォンの借金で補正予算、それでももっとばらまこうとする与野党

結局11兆ウォンの借金で補正予算、それでももっとばらまこうとする与野党

Posted January. 22, 2022 08:21,   

Updated January. 22, 2022 08:21

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政府は昨日、閣議を開き、14兆ウォン規模の補正予算案を確定した。現政府の10度目の補正予算となる。3年連続で選挙直前に編成した補正予算でもある。このため、政府が国の借金を11兆3000億ウォン増やすことにしたにも関わらず、与野党はギャンブルの掛け金を増やすように、競って増額を要求している。2月中旬の国会可決の際は、その規模が大幅に膨らむ可能性が高い。

政府の補正予算案は、コロナ禍で売上が減少した自営業者や小商工人320万人に、旅行や宿泊業種などを追加して、300万ウォンずつの防疫支援金を配分するのが柱となってる。昨年は税金が予想より多く徴収されたが、4月の決算前までは手をつけることができず、結局、借金に頼ることになった。これを受け、今年の統合財政収支の赤字は68兆1000億ウォン、累積国家債務は1075兆7000億ウォンへと膨らみ、国内総生産(GDP)比国の債務比率も史上初めて50%を超えることになる。

与党「共に民主党」は、直ちに増額を公言した。李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補は昨日、「次期政府の財源で35兆ウォンを準備して、迅速に支援しよう」と、野党の大統領選候補たちに会合を提案した。最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補も、「被害程度によって、50兆ウォン前後で十分な支援をしなければならない」と述べており、妥協の可能性が高くなっている。新年の予算案のインクも乾かぬうちに組む「1月補正予算」という悪い先例が、与野党の政治的野合で作られる。

大統領選挙を控えた与野党の「ばらまき競争」の副作用は、すでに現れている。赤字国債の発行が増えたことで、国債金利が上昇(国債価格の下落)し、市場金利を引き上げている。韓国銀行の基準金利の引き上げや、米連邦準備制度(Fed)の金利引き上げが繰り上げられるだろうという予測まで重なり、自営業者や家計の利息負担は急速に膨らんでいる。支援金をさらに与えたとしても、利息負担がさらに早く増える状況となっている。融資金の利息負担が増大し、不動産市場では賃貸保証金が減り、家賃取引の割合が急増している。政府の支出増加は、消費者物価の上昇を煽り、庶民生活も圧迫する。

さらに、政界の補正予算要求を触発した昨年の超過税収60兆ウォンのうち半分近くが、高くなった住宅価格や懲罰的課税による譲渡所得税、総合不動産税など、不動産税収の一時的増加だった。「取引の崖」に見舞われた今年は、関連税収が激減し、財政事情が悪化する兆しを見せている。最小限の合理的判断力でも残っているなら、与野党は国会での補正予算審の議過程で過度な増額を自粛し、不要不急な予算支出を縮小して、未来世代の負担を減らそうとする誠意を見せなければならない。