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美術界「抵抗」のアイコン、「今芸術は半分死んだ」

美術界「抵抗」のアイコン、「今芸術は半分死んだ」

Posted December. 21, 2021 09:50,   

Updated December. 21, 2021 09:50

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中国の現代アーティストの艾未未(アイ・ウェイウェイ・64・写真)氏は、現在世界で最も影響力のあるアーティストの一人。直観的な作品で芸術の社会的責任を実践している。艾氏は書面インタビューで、「アーティストに決まった役割はない」としつつも「今、芸術はすでに半分は死んだ状態で、芸術に関する理論、美学、哲学的思惟は事実上のまひ状態にある。人類の苦難と不安に対する芸術の反応はあまりにも微弱だ」と強調した。

艾氏の作品には、人類が経てきた歴史と同時代の問題が込められた。艾氏は自由を守ろうとして中国の反体制派となった。2008年の四川省大地震の時、当局が死亡者数を隠したという疑惑を提起し、当局から睨まれるようになった。その後、逮捕、自宅軟禁、拘束された。11年に脱税疑惑で秘密裏に拘禁され、15年に国際アムネスティ人権賞を受賞した後、押収されたパスポートの返還を受け、欧州に渡った。現在はポルトガルで過ごしている。

ソウル鍾路区(チョンロク)の国立現代美術館ソウル館で展示中の「艾未未:人間未来」では、同時代を生きていく世界市民としての艾氏が抱く悩みが込められている。会話、設置、写真、オブジェなど代表作約120点が展示されている。「私自身がまさに国際イシューだ。私の生命、私が直面した状況が世界の問題の一部だ」と語る艾氏は、権力の抑圧に挑発と抵抗で挑んだ。

展示場の入り口に置かれた「遠近法の研究 1995-2011」(14年)を除いて艾氏を論じることはできない。中国の天安門広場をはじめ、米国のホワイトハウス、パリのエッフェル塔など世界の歴史的記念物の前でこれ見よがしに中指を立てる写真シリーズだ。艾氏はこの行為を通じて生きた権力を嘲弄する。先月にオープンした香港の現代美術館「M+」が開館の展示で艾氏の作品約20点のうち「遠近法の研究」をホームページと館内展示から除き、物議を醸した。

 

壁紙作品「ラマのように見えるが実際にはアルパカである動物」(15年)は、表現の自由と監視を扱う。一見して美しい金色の装飾壁紙のようだが、その中には多くの監視カメラと手錠がある。

 

権力に対する彼の活動がただ痛快なだけではない。「Life Vest Snake」(19年)はじっと眺めていると悲しく痛ましい。天井にはりつけられた22.5メートルの巨大な蛇は、140着のライフジャケットで作られた。ギリシャ南東部のレスボス島で難民が脱ぎ捨てたライフジャケットだ。蛇の尾の部分は子供のもので作られた。艾氏は、ジャケットの持ち主の痕跡を見せることで、忘れられた彼らの行方を問いかけてくる。4月17日まで。無料。


キム・テオン記者 beborn@donga.com