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準備のない「自宅療養原則」医療崩壊ドミノが懸念される

準備のない「自宅療養原則」医療崩壊ドミノが懸念される

Posted December. 01, 2021 08:24,   

Updated December. 01, 2021 08:24

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政府が先月29日、特別防疫対策を発表し、「すべての感染者は自宅に留まり必要な場合にのみ入院治療を受けるようにする」と明らかにした。自宅療養を原則とし、住居環境が感染に脆弱だったり、小児・障害者・70歳以上などケアが必要な場合にのみ入院治療するということだ。

このため、陽性と確認した場合、酸素飽和度測定器や解熱剤などが入った自宅療養キットを支給し、1日2回以上非対面でチェックし、症状が悪化した場合、医療機関に搬送するという。しかし、早くも自宅療養に対する不信の声が出ている。今年10月、自宅療養の感染者が病院搬送中に死亡したうえ、空き病床を待って救急室で死亡する感染者も増加しているためだ。

自宅療養にはいくつかの危険要素がある。まず、政府が感染の症状と基礎疾患の有無などで判断するという入院要件の基準が明確でなく、混乱が予想される。家族間の感染だけでなく、アパートなど地域社会での感染の可能性も高まる。自宅療養者が短期・外来診療センターで検査や診療を受ける場合に外出が避けられず、医療廃棄物による感染の可能性も排除できない。自宅療養は事実上、初期治療をしないため多くの重症者が出る構造だが、ソウルの重症者病床の稼動率は91%、首都圏の感染者を受け入れてきた忠清(チュンチョン)圏は95%(30日基準)で、医療システムはすでに限界に達した。今医療現場では、「死者が出てこそ重症者の病床が空く」という声が出ているほどだ。

先月30日、国内の新型コロナウイルスの重症者が661人となり過去最高を記録した。初めて10歳未満からも死者が出て、10代の重症者が3人も発生した。変異ウイルスのオミクロン株まで17ヵ国に拡大している状況で、適切に必要な医療サービスを受けることができなければ重症者はさらに増えるほかなく、ドミノ式医療崩壊が懸念される。特別防疫対策から除かれた青少年防疫パスの拡大適用や私的な集まりの人数制限など重症者の急増傾向を阻止する対策のタイミングを逸してはならない。