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「デジタル足跡」は時には苦痛になる

Posted November. 13, 2021 08:16,   

Updated November. 13, 2021 08:16

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「新しい人生をプレゼントされました」

児童モデルとして広告を撮り、インターネットで人身攻撃に苦しめられたチェウォン(仮名)と両親の感謝の挨拶に、著者は自分こそ新しい人生をプレゼントされたようだった。当時、モデルエージェンシーの代表だった著者は、小学校5年生だったチェウォンが、悪質な書き込みに苦しめられた時、デジタル足跡を直接消すことにした。韓国初のデジタル葬儀士が誕生した瞬間だ。氏は、これまで14年間、デジタル葬儀事業を続けている。

最近のデジタル社会では、検索さえすればどんなものでも見つけられる。痕跡は容易に消えない。自然に忘れられないため、いわゆる「忘れられる権利」というデジタル基本権の概念が生まれた。デジタル葬儀士は、オンラインの不法掲示物などを削除してくれる。

デジタル化が進むにつれて、違法撮影物の被害はますます大きくなっている。昨年、テレグラムチャットルームを通じて性搾取物が流通し、社会問題になった「n番部屋事件」が代表的だ。不法掲示物の被害者たちの年齢も低くなっている。著者を訪れる青少年の依頼人の数は、1年間だけで3000人あまりに上る。このうち80%が、違法撮影物流布の脅迫を受けたケースだ。

依頼人の中には、両親がソーシャルネットワークサービス(SNS)に掲載した自分の写真を削除してほしいという小学生もいた。おむつ姿の昔の写真がそのまま残って、周りの友達の笑い物になったというのだ。著者は、親が子どもの成長過程をSNSに掲載する活動(シェアランティング)も、当事者である子どもの立場で一度は考えてみる必要があると話す。うっかりオンラインに掲載した子供の写真が、犯罪に悪用される可能性もある。実際、米国や日本でオンライン上で公開された子供の身元を利用した誘拐事件が起きたりもした。

著者は、これまで経験したデジタル不法掲示物による被害事例を紹介し、これを予防するための方法もまとめた。最善の予防は基本に忠実することだ。例えば、機器に暗証番号を設定し、プログラムのセキュリティアップデートを随時確認し、見知らぬ人が送ったメールは開かないことなどだ。もし被害に遭った時は、どのように証拠を収集して対処すべきかについてもまとめた。


鄭盛澤 neone@donga.com