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米警察、5年間で無抵抗の運転手400人を殺害

米警察、5年間で無抵抗の運転手400人を殺害

Posted November. 02, 2021 08:25,   

Updated November. 02, 2021 08:25

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この5年間で、米警察が車両の取り締まりで、銃や凶器を所持していない運転者や同乗者400人以上を殺害したと集計された。

米紙ニューヨーク・タイムズは先月31日、調査報道を通じて、運転者に特に脅威はないのに警察官の過剰対応で1週間に1度以上の割合で不必要な悲劇が発生していると報じた。同紙は2016年9月30日以降、警察官が運転者や同乗者を殺害した約400件のうち約180件の事件記録や動画、音声ファイルなどを分析した。その結果、大半が車両盗難や乱暴な運転など暴力的ではない犯罪が疑われたケースだった。銃や凶器の所持といった脅威がないにもかかわらず、警察官が車両の取り締まりで運転者を殺害する結果につながったということだ。約400件のうち警察官が起訴されたのは32件で、このうち有罪が言い渡されたのは5件にすぎなかった。

一例として、ジェネビーブ・ドスさん(当時21歳)は2017年1月、ダラス地域のあるアパートの建物付近でボーイフレンドと車で寝てしまい、警察の検問を受けた。駐車場に怪しい車両があるという通報を受け、6人の警察官が車両を取り囲んだ。ある警察官が、「手を上げろ。動くな」と叫ぶと、眠りから覚めたドスさんは驚いて車を少しバックさせた。パトカーが塞ぐと、ドスさんは車をまた少し動かし、突然、2人の警察官が止まれと大声を上げ、助手席の窓を通じて13発銃撃を加えた。当時、ある警察官が無線で「パトカーに2度ぶつかってきた」と虚偽の報告をする様子も動画に含まれた。

同紙は、「記録を検討した結果、多くの事件がこの例のように警察官に脅威を感じて指示に従わない運転者を殺害するという類似のパターンだった」と報じた。運転者が急変して銃を取り出すかもしれないという恐怖のため、警察官が過剰対応しているということだ。

しかし、運転者が警察官を攻撃する状況は思ったよりも非常にまれなため、警察官のこのような恐怖心は誇張されたものだと同紙は指摘した。実際に、各種研究の結果、警察官が交通取り締まりの時に殺害される確率は360万分の1にとどまる。


兪載東 jarrett@donga.com