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変化に立ち向かう姿勢が映画賞の二大柱を分けた、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞

変化に立ち向かう姿勢が映画賞の二大柱を分けた、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞

Posted May. 14, 2021 08:20,   

Updated May. 14, 2021 08:20

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アカデミーとゴールデングローブ。米映画授賞式の二大柱には、人種や性差別を巡る議論が付きまとう。会員構成と授賞内容が白人男性中心だったためだ。ゴールデングローブを主催するハリウッド外信記者協会(HFPA)とアカデミー授賞式を主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の批判への対応の仕方は違った。HFPAは変化を拒否し、AMPASは改革を選んだ。その結果、ゴールデングローブは最近、ハリウッドから鉄槌を受けた。米NBC放送は、来年のゴールデングローブ授賞式を中継しないことを決め、トム・クルーズなどの俳優らはボイコットを宣言した。

一方、アカデミー賞は「変化の第一歩を踏み出した」と評価された。アカデミーがゴールデングローブとは違う道を進んだのは、「先に殴られた」おかげだ。AMPASが世論の集中的批判を受けたのは2015年。俳優候補全員が白人であることをめぐり、黒人女性弁護士のエイプリル・レインがツイッターに、「#OscarsSoWhite」を掲載したのが引き金となった。その翌年も候補全員が白人であり、「#OscarsSoWhite」がソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)で再び広がり、俳優ウィル・スミスはボイコットを宣言した。アン・スンボム映画評論家は、「アカデミーは会員数と歴史的側面でゴールデングローブより高い権威を持つので、映画人たちが先に批判の声を出した」と話す。監督、俳優、製作者などで構成されるアカデミー会員は、全世界で1万人を超える。

批判の矛先がアカデミーに集中する間、ゴールデングローブは一歩外れていた。今年2月に87人のHFPA会員のうち黒人は一人もいないというLAタイムズの報道が出てから、授賞式を控え、米国監督、プロデューサー、俳優らは、「#TimesUpGlobes」を共有し、変化を促した。

対応の仕方も違っていた。AMPASは2016年、「女性と有色人種会員を2020年まで2倍に増やす」と発表した。女性の割合は2016年の24%(1446人)から昨年は32%(3179人)に、同期間有色人種の割合は9%(554人)から16%(1787人)に増えた。昨年加入した68カ国出身の819人の新規会員のうち、45%が女性、36%が少数人種や民族だった。2017年には黒人人権を扱った「ムーンライト」、2020年は外国語映画「パラサイト」に作品賞を授与して変化を試みた。

ゴールデングローブは今年2月、「会員数を18カ月以内に2倍に増やし、多様性を確保する」という発表だけをした。NBCが中継を拒否した理由も、「規定変更のための理事会の開催時期など、具体的な日程がなかったため」だった。

受賞基準を見直すかどうかも運命を分けた。昨年9月、アカデミーは「2022年から作品賞の候補選定基準の一つに多様性を入れる」と明らかにした。主演または主要助演の役に少なくとも1人の有色人種または少数民族が入らなければならないなど、具体的な指針も公開した。これとは異なり、ゴールデングローブは非英語台詞の割合が50%以上の場合、作品賞候補にノミネートできないという旧時代的基準を固守した。

ハリウッドは、アカデミーについて「傾いた映画産業の構造を変えようと努力している」と評価する。一方、手遅れの対応で一貫したゴールデングローブに送る視線は冷たい。ゴールデングローブが骨身を削る刷新を遂げるのか、歴史の中に消えるのか、世界の映画界が注目している。


金哉希 jetti@donga.com