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検察総長指名の金浯洙氏、「政権の世話人」の汚名が残らぬように

検察総長指名の金浯洙氏、「政権の世話人」の汚名が残らぬように

Posted May. 04, 2021 08:23,   

Updated May. 04, 2021 08:23

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、金浯洙(キム・オス)元法務次官を次期検察総長候補に指名した。検察総長は、国会人事聴聞会を経て大統領が最終任命する。総長は2年の任期が保障されていて、金候補者は、文在寅政府の最後の総長であり、新政府の初の総長になる可能性が高い。政治的激変期に検察を率いる厳重な責任を負うことになる。現政権で検察権はやや弱まったが、依然として検察は起訴権とともに腐敗、選挙など「6大犯罪」については直接捜査できる強力な権限を持っている。

金氏は22カ月間、法務次官として朴相基(パク・サンギ)、曺国(チョ・グク)、秋美愛(チュ・ミエ)元長官を補佐し、検察の声を伝えるよりも、与党の検察改革案に積極的に応じたという評価を受けている。退任後は、金融監督院長、公正取引委員長、監査院の監査委員など、様々な公職候補に挙がるほど、与党の信頼が厚い。2019年9月当時、曺国長官一家の捜査と関連して、尹錫悅(ユン・ソクヨル)検察総長を指揮ラインから外した特別捜査チームの設置を検察に提案した事実も明らかになった。金氏が指名されたことをめぐり、検察の政治的中立を懸念する声が検察内外から出ている理由だ。

しかし、法務長官を補佐する法務次官と検事を代表する検察総長の役割と地位は厳然と違う。金氏が総長に任命されれば、心構えから変えなければならない。国民は昨年、「秋・尹対立」を通じて、与党が検察に望むことが何かを見守り、検察の政治的中立がどれほど重要な問題なのかを実感したはずだ。さらに、大統領選挙を約10カ月後に控えた敏感な時期だ。検察が、政権の世話人という汚名をかぶらないためにも、検察自らが数え切れないほど何度も強調してきた「法と原則」を基準に沿って行動しなければならない。

検察庁法は、検事の政治的中立義務を定めており、検事倫理綱領では「検事は職務上の権限が国民から委任されたものであることを肝に銘じ」と規定している。検事が国民の意思を尊重し、政治的中立を守りながら捜査と起訴ができるよう、外部からの影響力を防ぐのが総長の最大の任務だ。与党で重大犯罪捜査庁を新設して検察の捜査権を完全に剥奪する案まで検討するなど、検察の未来は不透明な状況だ。検察が本来の姿を取り戻すためには、国民の信頼を取り戻さなければならない。新総長が確固たる政治的中立意志を持って実践するかどうかによって、検察に対する国民の信頼が変わるだろう。