
高い竹の塀の中に仲間はいないが、ごった返している鶏の群れの中で我独り風格がある。
頭を下げると砂が落ちるないか恐れ、羽を乾かすと白い尾が消えはしないか心配だ。
鵜は毛色が下品に見え、オウムの声が甘えるのを嫌う。
風にあたって何を思うのだろうか。果てしない青い野原と雲と川を物悲しげに眺めている瞳。
高竹籠前無伴侶,亂雞群裡有風標。
低頭乍恐丹砂落,曬翅常疑白雪消。
轉覺鸕茲毛色下,苦嫌鸚鵡語聲嬌。
臨風一唳思何事,悵望青田雲水遙。
(池鶴二首の1作目 白居場 772~846)
Posted April. 30, 2021 08:13,
Updated April. 30, 2021 08:13