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NASA「火星で二酸化炭素で酸素を作る」

NASA「火星で二酸化炭素で酸素を作る」

Posted April. 23, 2021 08:08,   

Updated April. 23, 2021 08:08

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米航空宇宙局(NASA)は、大気の96%を占める二酸化炭素から酸素を抽出するのに初めて成功した。無人ヘリコプター「インジェニュイティ」が火星で初の動力飛行に成功したのに続き、自給自足に欠かせない酸素を作り出し、地球外に新しい入植地を建設する試みに拍車がかかるものと期待される。

NASAは、2月に火星に着陸した探査ローバー「パシビアランス」に搭載された酸素生産実験装置「モキシー」(MOXIE)を利用して、火星大気の二酸化炭素から初めて酸素を抽出するのに成功したと、22日(現地時間)明らかにした。

20日に行われた初の実験で、モキシーは約1時間で5.37グラムの酸素を作り出した。これは宇宙飛行士1人が10分間呼吸できる量だ。火星表面で宇宙飛行士4人が1年間使用する酸素量は約1トンだ。重さが17キロで、自動車バッテリーサイズのモキシーは、1時間当たり最大で10グラムの酸素を生産するように設計された。

モキシーの酸素発生方法は、植物の光合成に似ている。二酸化炭素を吸収して汚染物を取り除き、酸素と一酸化炭素に分離する。この時、内部温度が800度まで上がるが、モキシーはこれに耐えるために3次元(3D)プリンティングされたニッケル合金で作られた。モキシー表面の薄い金コーティングは、高熱を赤外線で放出してパシビアランスの内部損傷を防ぐ。

火星で作った酸素は、宇宙飛行士の呼吸用として使えるだけでなく、宇宙飛行士らが地球に戻ってくるためのロケット推進剤としても活用できる。火星に4人の宇宙飛行士を送るには、約7トンの燃料と25トンの酸素が必要だ。今は酸素を全て地球から持っていかなければならないが、現地で調達できればさらに経済的だ。

モキシーは今後約2年間(地球時間、火星日基準では1年間)、少なくとも9回酸素を作り出す実験を行う。それぞれ異なる時間と様々な大気条件、気温環境での実験が順次行われる。


キム・ミンス東亜サイエンス記者 reborn@donga.com