Go to contents

希望に満ちた別れ

Posted February. 19, 2021 08:14,   

Updated February. 19, 2021 08:14

한국어

野草の生い茂った丘で、友人を見送る詩人。別れの悲しみは生い茂る草のように胸一杯だ。遠くにある昔通った道や荒廃した都市にまでつながるあの香しく爽やかな青さで一層心が痛む別れだ。毎年枯れては生い茂ることを繰り返すあの野草のように、私たちの縁も無限に続くだろう。野火ですっかり焼けてしまい、冬の間寂しかった丘にも、春風で草が生え、ついに鬱蒼とした豊かさを成すではないか。詩人が向き合った別れは、それゆえ絶望的な悲しみではなく、「きらびやかな悲しみの春」を待つように希望に昇華される。自然の摂理を通し見せてくれる肯定のメッセージが別れの痛みよりも大きな響きとして迫る理由だ。

この詩は、若い白居易が名を馳せる契機となった。科挙の受験のために16歳で長安に来た白居易は、習作した詩をもって、大詩人の顧況を尋ねた。科挙を控えて自分の才能を知らせるために高官や名士を訪れることは当時の慣行でもあった。顧況が白居易の名前を聞いて、「長安、米貴(たか)し、居(きょ)大いに易(やす)からず」と冗談を言った。しかし、「野火焼けども尽きず、春風吹いてまた生ず」という詩を見て、これほどの詩才なら、どこでも生きていけると絶賛したというエピソードだ。