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「息ができない」、白人警官に押さえつけられた黒人男性が死亡

「息ができない」、白人警官に押さえつけられた黒人男性が死亡

Posted May. 28, 2020 07:45,   

Updated May. 28, 2020 07:45

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25日に米中西部ミネソタ州のミネアポリス市で、黒人男性のジョージ・フロイトさん(46)が無防備の状態で白人警官に押さえつけられて死亡したことを受け、翌日、米全域で大規模な抗議デモが起こった。2月にジョギング中に泥棒に間違われて白人親子に銃で撃たれて死亡した南部ジョージア州の黒人青年アマド・オーブリーさん(25)の事件も記憶に新しく、かなりの波紋が予想される。

米紙ワシントン・ポストなどによると、レストランの警備員として働くフロイトさんは同日午後8時頃、小切手偽造事件の容疑者と見做され、路上で警官に押さえつけられた。ある目撃者が撮影した動画によると、「息ができない」とフロイトさんが訴えたにもかかわらず、白人警官は、彼の首を左ひざで地面に押しつけた。

通行人が「殺す気か。鼻血が出ている」、「膝をどけろ」と言ったが、聞こえた素振りもなかった。別の警官は、フロイトさんが話せるとし、「話ができるので息もできる」と主張した。フロイトさんは母親を呼び、「全身が痛い」と絶叫したが、警官は彼を解放しなかった。地面に顔を押さえつけられたまま意識を失ったフロイトさんは同日午後9時25分頃、死亡した。

 

ミネアポリス警察は、「小切手の偽造事件の通報を受けて出動した。容疑者に車から降りるように命じたが抵抗した」とし、死亡の原因は医療事故だと主張した。フロイトさんの死亡で波紋が広がると、26日に事件に関与した警官4人の免職を発表したが、当局の行き過ぎた暴力行為に対する批判はますます強まっている。

 

26日夜、ミネアポリスなどミネソタ全域で激しい抗議デモが起こった。一部のデモ参加者はフロイトさんの最後の言葉だった「息ができない」をスローガンのように叫んだ。警察を白人至上主義団体「KKK」に例えたり、「殺人者の警官を監獄に」というプラカードも登場した。一部のデモ参加者は警察署の窓を割り、パトカーを破壊した。警察も催涙弾を発射し、デモ隊に対抗した。

野党民主党は、有色人種に敵対的なトランプ政権が発足して以降、類似の事件が増えたとし、トランプ政権を批判した。特に今回の事件は、2014年、逮捕の際に警官に腕で首を絞められて死亡したニューヨークの黒人男性エリック・ガーナーさんの事件と似ているという指摘されている。当時、ガーナーさんも「息ができない」と訴えたが、警官は解放せず、死亡した。

今回の件が11月の大統領選の主要争点に浮上する可能性もある。ジャマイカ系黒人とインド系の混血人のカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)は、「黒人に対する偏見をうかがわせるさらなる一例にすぎない」とし、「構造的な人種差別問題を解決するために正義を求めなければならない」と呼びかけた。ハリス氏は、民主党大統領選候補に事実上確定したバイデン前副大統領の有力な副大統領候補とされている。

民主党所属のミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長も、「警察は最小限の人間性を喪失した。米国で黒人ということがこれ以上死刑宣告になってはならない」と批判した。オバマ前大統領も16日、オーブリーさんの事件に触れ、「一部の米国人は、ジョギングをしている黒人が自分の話に答えなければ銃で撃つことができると感じている」と批判した。


任寶美 bom@donga.com