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国楽器演奏者パク・ジハさん、英バービカン・センターの招待でロンドン公演

国楽器演奏者パク・ジハさん、英バービカン・センターの招待でロンドン公演

Posted January. 08, 2020 07:57,   

Updated January. 08, 2020 07:57

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国楽器演奏者パク・ジハさん(35)が、英バービカン・センターの招待で31日にロンドンでコンサートを開く。バービカン・センターは欧州が誇る世界的な文化機関。パクさんが公演するセントルーク教会は、ロンドン交響楽団が練習、公演、録音をする「ホームグラウンド」だ。韓国の音楽界にとっても異例の「慶事」だ。

ソウル麻浦区(マポク)で2日に会ったパクさんは、「バービカン・センターのプログラマーがBBCラジオなどで私の音楽を聴いて、昨年連絡をしてきました。ロンドンのシンフォニーの空間で公演をすることになり、うれしいです」と話した。バービカン・センターが企画したコンテンポラリー・ミュージック・シリーズの一環だ。ポーランドの音楽家ワツワプ・ギンペルさんとパクさんが1、2部に分かれて舞台に立つ。

笛、笙、洋琴を自由自在に使って作曲した音楽を演奏するパクさんは、2016年と2018年に発表した2枚のソロアルバムで海外メディアの絶賛を受けた。英国のガーディアン紙とBBC、米国のピッチフォークやスピンなどの有数のメディアが、パクさんの音楽世界を賞賛し「今年のレコード」リストに登録した。 

「笛と笙は改良がほとんどできず、原始的な姿を保った楽器ですが、海外で電子音楽の雰囲気や未来的な感じが出ると評価され、興味深いです」

パクさんの音楽人生は、小学生の時にフルートを習ったことで始まった。国楽の中学校に進学して笛を学んだ。笙は、韓国芸術総合学校に入って副専攻で身につけた。弦をたたいて音を出す洋琴は独学だ。

「『フィロス(Philos)』はエロス、アガペーとは異なる愛でしょう。私には音と時間への愛です。反復と集中が、私がその愛に近づく方法です」

パクさんの作曲法は一見単純だ。瞬間的に浮んだイメージを基に一つの楽器で即興でメロディを作る。録音し、何度も繰り返して聞く。瞑想のような作業だ。

「どんな一区切りの録音も、集中して繰り返し聴いてみると、不思議にもそこにはない別の音が聞こえ始めます」

その時、別の楽器を持って音を重ねていく。楽譜は必要ない。そうして作ったセカンドアルバムの収録曲「Thunder Shower」は、聴く人を30秒で魅了し、別世界に連れて行く。美しい分散和音で始まり、激しく追い込む洋琴の打絃は、顔料を重ねてもうろうとした効果を出した英国の画家ウィリアム・ターナー(1775~1851)のタッチのようだ。灰青色の空が降り落ち、星の光に広がるような音の風景。実際に雨と雷の音を入れた。パクさんは騒音と音楽が出会う様相に関心がある。

「江西区塩倉洞(カンソク・ヨムチャンドン)で録音した曲『Walker:In Seoul』では、演奏する間、室外にマイクを設置しました。通り過ぎるバイクやバスの声をリアルタイムで入れました。現場の音、電子音楽、ピアニズムの境界をあいまいにするドイツの音楽家ニルス・フラームが好きです」

パクさんの2020年は、雨と雷が打ち下ろすようだ。オーストラリア・メルボルンのアジア・トパー・フェスティバル(2月)、ドイツ・モンハイムのトリエンナーレ(7月)に招待された。近いものでは11日、ソウル中区(チュンク)の文化空間「ピクニック」の「サイレント・フィルム&ライブ」の舞台に立つ。ドイツ映画の巨匠F.W.ムルナウ監督の無声映画「サンライズ」に自身が作った新しい音楽を重ねる。

「私も、私の音楽のジャンルが何か分かりません。国楽フュージョン、ワールドミュージックという枠組みは、もう似合いません。ミニマルで、実験的な現代音楽といえば説明になりますか。ただ美しい音をこれからも探し求めていきたいです」


イム・ヒユン記者 imi@donga.com