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5G時代とアナログ出席簿

Posted November. 08, 2019 08:24,   

Updated November. 08, 2019 08:24

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今学期から出席チェックが電子出席方式に変わった。学生は授業開始時に、自分のスマートフォンのアプリケーション(アプリ)で出席チェックをする。1秒だけ遅れても遅刻処理される。誤差もない厳しいシステムだ。それ以前は、授業が終わる頃、学期の初めに作った座席表を見て学生の出席を確認した。一学期が経過すれば、学生の名前をほとんど覚えることができた。今は、学生の名前を呼ぶ機会がなくなった。残念だ。

100年前は、主な通信方法は郵便だった。人が直接知らせを伝えた。当時の最先端の通信方法の一つは、地下にパイプをつなげて、圧縮空気を利用して手紙をロケットのような形のカプセルに入れて送る方式だった。パリ市内の地下には、複雑なパイプの連結網が設置され、圧力空気を通した郵便システムが使われたこともある。当時としては最も速く、画期的な最先端通信方法だった。

当時の物理学者たちは、今電子メールを書くように頻繁に手紙を書いた。しかし、今はキーボードを打てば、あっという間にメールが相手に送信される時代になった。紙の上にインクで記録されていたすべての科学的交流は、いまはインターネットのウェブ上やハードディスク、携帯電話にデジタル信号で保存される。人間の交流自体は変わらないが、その方法が変わったのだ。

無線で繋がった通信システムが登場したのは、比較的最近のことである。1970年、米国ベル研究所のとある研究員は、どのようにすれば電話回線を除去できるかというアイデアに拘っていたし、これは第1世代モバイル通信、第1世代(1G)の開発につながった。このコードレス電話は、音声通話のみ可能だったし、レンガのように重く「レンガフォン」と呼ばれた。価格も当時のソウルマンションの保証金に匹敵した。その後、アナログからデジタルに転換され、音声とデータを転送できる2Gモバイル通信時代が開かれた。当時の転送速度は毎秒1キロビット(Kbps)だった。第3世代モバイル通信スマートフォンの歴史が始まり、データスピードを巡る競争が始まった。今の5G伝送速度は20Gbpsで、過去とは比較できない速度を持っている。早くなったスピードが社会の全分野に影響を与えるのは当然のことである。私たちの生活も、その速度を追いかけているから。

5Gのモバイル通信が、様々な分野のモノのインターネット(IoT)に本格的に活用される2030年になれば、データの需要は耐え切れない状況になるだろう。その代案として、韓国を含めて、米国、フィンランド、中国の研究機関では、次世代通信方式である6Gを開発している。転送速度を高めるために、量子力学軌道角運動量の概念を用いた多重伝送技術が活用される予定である。6Gが実現すれば、今よりも転送速度が5倍も速くなり、SF映画のような仮想世界が、インターネット上で実現できるだろう。

今後の通信は、さらに速い速度で進化するだろう。今も十分なのに、あえて5Gが必要なのかという声がよく聞こえるが、すでに「速度の列車」に乗った以上、昔に戻ることは難しい。ところで、急激に変化する世の中で、大学のアナログ出席簿ぐらいは持っていても、通信の発展に害はないんじゃないがと思ってみる。学生は情報ではないのだから。