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猛暑地獄の欧州

Posted July. 27, 2019 09:22,   

Updated July. 27, 2019 09:22

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「こんな暑さは初めてだ。耐えられない」

25日(現地時間)午前、フランス・パリのリヨン駅前で会ったタクシー運転手のガブリエルさんが記者に言った言葉だ。彼を含め駅の周辺にいた多くの市民が雨のように汗を流して猛暑による苦痛を訴えた。

 

26日のパリの昼間の最高気温はなんと42.6度。歴代最高気温だ。1873年に気象観測が始まったが、これまでの最高気温である40.4度(1947年7月28日)よりも2.2度高い。これは猛暑で有名なエジプトの首都カイロよりも高い気温だ。ルーアン(40.7度)、リール(40.5度)、トゥルア(41.4度)などの大都市も同じだ。フランス全域が「蒸し風呂」のようだった。他の欧州国家も然り。ドイツ・リンゲン(42.6度)、ベルギー・クライネブローゲル(40.6度)、オランダ南部(40.4度)などで40度を超えた。

猛暑の原因は、北アフリカから押し寄せる熱波だ。来月も猛暑が続けば、2003年の最悪の猛暑で2週間で高齢者など約1万5千人の死者が出た事態が再演される恐れもある。すでに欧州各地で熱中症患者が続出している。フランス内務省は、「今月に入って50人が死亡した。野外活動を控え、高齢者や子どもは特に注意してほしい」と呼びかけた。オーストリアでは2歳の子どもが、両親が見ていない間に自動車に乗り込み、死亡した。

欧州のエアコン普及率が低いことも被害を増やした。欧州は夏でもそれほど暑くなく、湿度が低くいため、一般家庭やレストランなど公共の場所でもエアコンが多くない。記者が同日、パリ15区内の10店のコーヒーショップを調べたところ、米国のコーヒーチェーン「スターバックス」1ヵ所だけエアコンが稼動していた。一般のフランスのコーヒーショップでは、エアコンは見当たらなかった。米紙ニューヨーク・タイムズによると、欧州の家庭の平均のエアコン設置率は10%未満。最近1ヵ月間でエアコンの価格が40%上昇した。

猛暑でフランス南部コルペシュの原子力発電所も一時止まった。国営電力会社EDFは、ゴルフェッシュ原発の原子炉2基の稼動を停止した。冷却水の過熱が臨界値を超えたためだ。ドイツ政府もグローンデ原発の稼働を停止した。猛暑がさらに続けば、南部バイエルン州の原子炉2基の稼動停止も決めた。


金潤鍾 zozo@donga.com