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防弾少年団の慰労

Posted May. 01, 2019 07:55,   

Updated May. 01, 2019 07:55

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この数年間、世界の人々の耳をつかんで離さない防弾少年団。彼らが発表した新しいアルバムに収録された「小宇宙」には、星についての比喩が出てくる。人間を星にたとえることはお馴染みの修辞法だ。人間を小宇宙で表現することもお馴染みだ。ゆえに特別なことではない。特別なのは、ありふれた修辞法を使いながら、そこにある常套性を取りはらい、世の中への温かい心を表わす方式にある。

彼らにとって人間は星だ。単なる星ではなく、一つ一つが大宇宙の縮小版、すなわち、小宇宙である星だ。地球の70億人皆がそうだ。時にはさ迷い、時には絶望に陥るが、星という事実には変わりない。漆黒のような夜であればあるほど光るのが星光の属性だからだ。ゆえにいかなる場合でも、星光であることを忘れたり、小宇宙であることをあきらめてはいけない。「消えないで/大きな存在だから」。この歌が伝える核心は、重義的な解釈が可能なまさにこの点にある。何かに絶望し、人生をあきらめたり危険な考えが頭をよぎる時、自分が星光であることを思い出せということ。逆境に打ち勝って立ち上がるほど人間という星はより一層光を放つということ。「一番深い夜にもっと輝く星光/夜が深くなるほどさらに輝く星光」。これは世の中を生きる中で傷つき、存在の意味を悩んでいる、自らが星光でありながら、星光であることが分からない人々に送る慰めの言葉だ。これより温かい心と人生に対する肯定があるだろうか。

人生に対する楽観が不在した時代を生きているためか、人々は防弾少年団の温かくも洗練した歌に盛り込まれた人生に対する楽観的なジェスチャーに熱狂する。生命を消耗品程度に考える時代を生きているからか、人間は星光であり小さな宇宙であるということを喚起させる彼らの歌から、人々は絶望を払い落とす力を得る。他者の慰労と歓待という芸術本来の機能にこれよりも忠実なことはないだろう。