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趙亮鎬氏を締め出した国民年金、株主権の強化に見合う独立性と専門性を備えるべきだ

趙亮鎬氏を締め出した国民年金、株主権の強化に見合う独立性と専門性を備えるべきだ

Posted March. 28, 2019 08:12,   

Updated March. 28, 2019 08:12

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昨日行われた大韓(テハン)航空の定期株主総会で、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進(ハンジン)グループ会長が取締役再任に失敗した。同日の株主総会で、3年間の任期が終了した趙会長の取締役再任案件は、出席株式の64.09%の賛成を得るにとどまり、3分の2の条件を満たず否決された。企業グループのトップが株主総会で社内取締役の再任に失敗したのは初めて。

趙会長が取締役の地位を失ったのには、国民年金が決定的な役割を果たした。大韓航空株式の11.56%を保有し第2位の大株主である国民年金は、25日と26日に受託者責任専門委員会を開き、激論の末に趙会長の再任反対を決めた。「企業価値の毀損と株主権益侵害の履歴があると判断した」というのである。趙会長は横領背任などの容疑で起訴されたが、まだ1審の判決すら出ていない状態なので、「司法部が確定判決をする時までは無罪と推定する」という原則に基づいて、より慎重にすべきだったという指摘も出ている

国民年金は、昨年、スチュワードシップ・コードの導入以来、積極的な株主権行使行動を増やしている。三星(サムスン)バイオロジックスと暁星(ヒョソン)の社内外取締役選任などに反対票を投じ、現代(ヒョンデ)自動車と現代モービスについて、行動主義ファンド・エリオットの攻勢を防ぐ役割を果たした。今後、企業の不当支援行為、経営陣の私益詐取、過度な役員報酬など、さまざまな事案に対して株主権行使を広げるものとみられる。国民年金の持分の多い企業は、神経をとがらさざるを得ない。

しかし、実は国民年金の本命は、企業経営への参加ではなく、国民の老後資金を増やすことである。国民年金は昨年の収益率がマイナス0.92%で、6兆ウォンも損をした。この5年間の実績も、2017年末基準で国民年金は5.19%で、カナダの公的年金(12.02%)、米カリフォルニア州公務員年金(10.4%)など、世界の主要年金基金に大幅に及ばない。

現在、国民年金は、保健福祉部長官が基金運用委員会委員長であり、政府や政治的影響力から自由ではない。基金本部が地方に移転し、報酬も市場平均に及ばず、専門家を確保することも難しい。国民の老後資金640兆ウォンを運用するだけに、基金運用や企業議決権行使において政治的中立性と独立性、専門性を確保してこそ、信頼を得ることができる。