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トランプ氏、「米国が世界の警官は続けられない」

トランプ氏、「米国が世界の警官は続けられない」

Posted December. 28, 2018 08:34,   

Updated December. 28, 2018 08:34

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トランプ米大統領が26日、「米国が世界の警察官であり続けることはできない」と述べ、事実上、米国の介入主義外交路線の終焉を宣言した。トランプ氏は就任以来初めて紛争地域の米軍部隊を訪問し、「sucker(おめでたい人)」とまで表現し、米国の変化する外交安保政策を力説した。駐留経費負担交渉をはじめ韓米同盟の問題にも少なからぬ影響を及ぼすという懸念が強まっている。

●頂点に至るトランプ氏の新孤立主義

トランプ氏は同日、夫人のメラニア氏とともにイラク・バグダッド付近のアサド空軍基地を電撃訪問した。3時間半ほど米兵らと写真を撮り、サインをするなど時間を過ごした。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が同行したが、辞任を発表したマティス国防長官は同行しなかった。

紛争地域の訪問を敬遠してきたトランプ氏は、これまで「2002年以来、クリスマスに海外米軍基地を訪問しない初の大統領」と言われてきた。25日、夜間の航空便で予告なくイラク駐留基地を訪れたのは、このような批判を意識したという見方もある。

初の海外基地訪問という意味と時期のためだったのか、トランプ氏は同日、自身の外交安保政策の方向について、いつもより多く発言した。トランプ氏は、米兵にした演説で、「米国が補償も受けられずに地球上のすべての国のために戦うことはできない」とし、「米国が世界の警察官であり続けることはできないため、戦うことを望むなら、その費用も彼らが負担しなければならない」と述べた。そして、「私たちはもはや『おめでたい人』ではなく、人々も私たちをそのように見ない」と繰り返し強調した。

トランプ氏は、イラク訪問を終えて、ドイツのラムシュタイン空軍基地に向かう飛行機の中でも同行した記者団に、「私たち(の軍)は、多くの人々が聞いたこともない国にまで全世界に散らばっているが、これはとんでもないこと」と声を荒げた。「豊かな国々が自分たちの防衛のために米国をこれ以上利用するようにはしない」とし、「中東だけのことを言っているのではない。全世界の豊かな国の話だ」と述べた。

イラク訪問が満足だったのか、トランプ氏はワイシャツのボタンを外し、楽な姿勢で25分間このような話を続けたと、ホワイトハウスの記者団は伝えた。

●無賃乗車はだめでも戦略基地は維持

同日の発言は、突然のシリアからの米軍撤退の発表とこれに反発したマティス氏の辞任に対する批判世論に対応するために出た。しかし、普段からトランプ氏が繰り返してきたいわゆる同盟国「無賃乗車論」の批判の程度を引き上げたという点を外信は注目している。AFP通信は、「トランプ氏が米国の『世界の警察官』の役割に終止符を打つと宣言するために初のイラク訪問を利用した」と分析した。

米国第一を掲げたこのような政策方向は、3日後に期限が迫った韓米駐留経費負担交渉にも強い圧力として作用するとみえる。韓米合同軍事演習が次々に延期あるいは縮小されている状況で、長期的には在韓米軍撤退の決定まで電撃的に下される可能性も議論されている。大統領選の公約を一つずつ実行しているトランプ氏は、実際、大統領候補時代、「在韓米軍撤退」を言及したことがある。

ただし、トランプ氏は、アサド空軍基地内の米兵に「(シリアとは違って)イラクにある米軍は過激派組織「イスラム国」(IS)を撃退する任務が重大なので、残ることになるだろう」と述べた。シリアの米軍が撤退した後には、必要な場合、イラクがISとの戦いの基地に使われるという説明もした。シリアの米軍撤退およびこれに反対したマティス氏の辞任で動揺する部隊のムードをつかみ、紛争地域の戦略基地は必要に応じて維持する考えを明らかにしたのだ。イラクには約5千人の米軍が駐留している。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com