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[オピニオン]国民の5大義務、結婚と出産

[オピニオン]国民の5大義務、結婚と出産

Posted December. 01, 2016 08:28,   

Updated December. 01, 2016 08:29

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「結婚は良かった?」、「思ったよりは。あなたは?」、「僕も」。明日別れる夫婦の会話としては、あまりにも事務的だ。しかし、「期限付き配偶者」との契約期間が切れて、気乗りしない気持ちで評価する言葉なら事情が違う。この会話が出てくるキム・リョリョンの小説「トランク」は、結婚情報会社「W&L」のVIP専従部署を扱っている。ここは、シングル男女が期限付きで配偶者を供給する秘密部署だ。「現場の妻(Field Wife)」が急に妊娠し、子供を産むと意地を張れば、退社させられる。主人公は入社提案を受け、「今や配偶者もレンタルする世の中になったのか」と独り言を言う。

◆統計庁は、今年の国内結婚件数が40年ぶりに初めて30万件を下回るだろうと見込んだ。1977年に30万3156組が結婚にゴールインし、昨年は30万2828組が末永く付き添うことを約束した。同期間、合計出生率は2.99人から1.24人へと墜落した。1980年代までも、「新婚夫婦の初約束は、笑いながら家族計画」という標語が大半を占めていた。結婚適齢期の男女が減り、出産はさらに減少している我々の現状は、大韓民国の持続可能性すら懸念されるほどだ。

◆男女七歳にして席をおなじゅうせずという価値観が支配していた時代は、結婚するためには仲人が必要だった。あの家、この家を行き来しながら、善男善女の情報を手に入れるためには、出入りが自由な常民階級の女たちがうってつけだった。「仲人屋」とか「仲人女」など、仲人をさげすむ表現が出てきた背景ともいえる。媒婆(仲人の婆さんという意)も、仲人が職業のお年寄りの女性を指す。富裕層の子息や高所得専門職を紹介する「マダムトゥ(結婚仲介屋)」で「トゥ」とは、「トゥジェンイ(仲人の俗語)」の縮約語で、仲人をさげすんで呼んだ言葉だ。

◆日本は、結婚率や出生率を高めるため、国や地方自治体が積極的に乗り出している。広島県は、住民全員が仲人になろうという意味の「赤い糸プロジェクト」などの努力で、出生率を2005年の1.34人から昨年は1.57人へと増やした。韓国ではあらゆる方法を動員してもなかなか出生率が上がらない。そのため、国防や納税、勤労、教育の国民の4大義務に、結婚・出産の義務を加えて、国民の5大義務にすべきだという声まで出ている。

異鎮(イ・ジン)論説委員 leej@donga.com