周囲の関心が集中しているが、いざ本人は落ち着いている。小学校時代に数学英才だった田仁智は決戦の瞬間を控えて、「今週は数字は忘れて過ごそうと思っている。スコアは意識しないつもりだ。こういう競争をしていることだけでも幸せだ」と話した。
昨年に国内舞台を制し、今年からLPGAツアーに飛び込んだ田仁智にとって2016年は忘れられない一年だ。18大会で予選脱落は一度だけだったほど安定したペースを保った。10度もトップ10入りし、韓国勢では最も高い世界ランキング3位、獲得賞金ランキング3位(145万ドル)につけている。エビアン選手権では21アンダーを記録し歴代メジャー大会の最多アンダー記録まで塗り替えて頂上に立った。リオ五輪は、激しい競争を勝ち抜いて出場した。田仁智を指導するパク・ウォン・アカデミー院長は、「馴染みのない環境への適応が早い。100点満点に200点の与えたい」と称賛した。
だが曲折も多かった。シーズン序盤、思わぬ腰の負傷で1ヵ月近くの休養を余儀なくされたが、先月は痛みが再発し2週ほどフィールドを離れていた。田仁智は、「もうシーズンが終わったと思うと妙な気持ちだ。みんなが実りのある季節を迎えることを望む。自分も、本当に多くのことを学んだし収穫もあった」と語った。
田仁智は今大会の初日のラウンドが終わった直後にLPGAツアー新人賞を受賞する。演説内容をすでに用意しておいた。韓国女子ツアー(KLPGA)ではもらえなかった新人賞を夢の舞台であるLPGAツアーで受賞することになった感想や、周りの関係者たちへの感謝の気持ちを込めた。最終大会を終えた後は、帰国して5週ほど腰の治療に集中し、大会出場や練習なしに休養とリハビリだけに専念し、来季に備える計画だ。
金鍾錫 kjs0123@donga.com