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[オピニオン]ヘッジファンド・エリオットの「三星攻撃」

[オピニオン]ヘッジファンド・エリオットの「三星攻撃」

Posted June. 06, 2015 07:16,   

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米国系ヘッジファンド・ソブリン資産運用は2003年、SKグループの持ち株会社ともいえるSKの株を大量に買い付けた。大株主の株の持ち分が低かったSKは、ソブリンの経営権乗っ取りの試みに神経を尖らせた。韓国の大手企業を敵対視する左派団体や「株価さえ上がればいい」という盲目的なウォール街の論理に色づいた一部の知識人は、ソブリンの肩を持った。ソブリンは、SKの経営権を取り上げるのに失敗したが、1兆ウォン近くの差益を上げ、2005年に韓国を離れた。

◆日本経済評論家・浜田和幸は1999年、投機資本の危険性を暴いた「ヘッジファンド」というタイトルの副題を「世紀末の妖怪」と名付けた。氏は、「ヘッジファンドは時には新興国経済システムの矛盾を矯正するが、それが度を越して、患者が瀕死の打撃を受けたりする」と批判した。10数年前、SKは、ソブリンの攻撃に立ち向かったため、投資余力が減った。2006年、「企業狩人」と言われているカール・アイカーンの攻撃を受けたKT&Gも同じだった。

◆米国系ヘッジファンド・エリオットマネジメントが第一(チェイル)毛織との合併計画を発表した三星(サムスン)物産の株を買い付けて、持ち分を7.1%に引き上げた。エリオットは、「第一毛織と三星物産の合併条件は公正ではなく、株主の利益に反する」と主張した。エリオットが合併白紙化カードで三星を圧迫した後、株価を引き上げ、ソブリンのように差益を手にしようとする狙いだという見方も多い。三星グループの三星物産の持ち分は約14%と、エリオットの2倍程度だが、徹底的に備える必要がある。

◆米シティ銀行の韓美(ハンミ)銀行買収、カルテックスとGSグループとの合弁、サウジアラビア・アラムコのエスオイル経営のように、優良な外国資本が韓国に投資し、雇用を創出して税金を納めるのは歓迎すべきことだ。しかし、海外ヘッジファンドが経営権の乗っ取りや短期間の相場差益を狙って主要企業各社の株を買い付ける行為は警戒しなければならない。ソブリンとアイカーンが「食い逃げ」を超えて、SKやKT&Gの経営権まで奪ったなら、その結果は考えただけでもぞっとする。ヘッジファンドが攻撃した企業の株価は、「テーマ株効果」で一気に上昇しても、時間が経てば、「高値」で買い付けた小口投資家たちが被害を受けることも忘れてはならない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員shkwon@donga.com