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[社説]習近平とプーチンの握手は「信頼外交」なのか

[社説]習近平とプーチンの握手は「信頼外交」なのか

Posted May. 09, 2015 07:21,   

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ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が8日、モスクワで首脳会談を行い、全面的な戦略協力パートナー関係を深めることで一致し、共同声明を発表した。「アジア再均衡」政策を掲げる米国と日本が最近、新蜜月時代を開いたのと同様、「アジア重視」政策を展開するロシアと中国の関係も最高の蜜月関係を迎えていると言われている。

中ロ首脳会談は、ロシアのクリミア半島編入とウクライナ侵攻に対する抗議で、米国や英国など欧米諸国の首脳が9日のロシア対ドイツ戦勝70年記念式典をボイコットした中、行われた。欧米の制裁で経済危機に陥ったロシアは中国に活路を見出そうとし、中国も日米の対中圧迫に対抗するためにロシアと手を握ろうとしている。外交において、「敵の敵」は友になり得る。ロシアは、技術の流出を憂慮していたS−400地対空ミサイルを中国に販売することを最近決定し、今月末、東シナ海で初めての合同軍事演習をするなど、全方向で協力を継続することを決めた。

だからといって問題がないわけではない。習主席の「一帯一路」(陸上・海上シルクロード)構想は、中央アジアを「裏庭」と考えるロシアの国家利益と衝突する素地が大きい。地政学的な変化を克明に見せる中ロ関係は、信頼を基盤にした外交と言うことは難しい。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は6日、駐韓外交団のレセプションで、「よく国際政治とは冷厳な現実の上にあるため、国家利益だけが行動基準にならなければならないというが、国際政治と外交で本当に重要なことは信頼だと考える」と述べた。持論である「信頼外交」を強調したのであり、外交官への「徳談」かもしれないが、最近、実利外交、実用外交を強調するメディアに対する反論にも聞こえる。

ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は、「信頼を基盤とした韓国政府の外交政策は賢明で、よく考えられているが、現実的なアプローチなしに信頼だけを追求すれば、失望につながる恐れがある」と分析した。相手国が信頼を見せれば、一段階高い関係への進展が可能だという大統領の信頼外交は、韓半島信頼プロセスと北東アジア平和構想で一歩も進むことができない状態だ。外交には永遠の敵も同志もいないが、国益は永遠だ。道徳的原則だけ強調して方向を見失った韓国外交が本来の位置に戻るには、冷徹に国益と実利を推し量る現実的な見識が必要だ。中ロが互いを好んで蜜月関係にあるのではない。