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ダボスフォーラムが科学技術に注目する理由

ダボスフォーラムが科学技術に注目する理由

Posted January. 13, 2014 03:18,   

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来週中旬になれば、スイスの閑散とした町・ダボスで、世界経済フォーラムの年次総会、いわばダボスフォラーラムが開かれる。筆者は12年、未来技術グローバルアジェンダカウンセル議長を引き受け、「10大の浮上する技術」を選んで、発表した。世界経済や政治、社会分野のリーダーらの集いであるダボスフォーラムで、科学技術を非常に重視していることを示す象徴的な出来事だった。科学技術は、主に産業発展に大きな影響を及ぼしてきたが、今は、政治や社会、経済、文化などあらゆる分野に多大な影響を及ぼすことを、ダボスフォーラムも認めたのだ。

年明けに発表された三星(サムスン)電子の昨年第4四半期の業績や成長エンジンを巡る懸念は、世界的な競争力を備える製品を持続的に作ってこそ、食べていくことができることを物語っている。戦後、わずか60数年で、国民所得は260倍、国内総生産(GDP)は、ほぼ500倍も伸びた我々の奇跡の後ろには、自分を犠牲にしながら働いてきた産業労働者らと科学技術者らの努力があったことは、誰も否定しないだろう。我々がさらに一段階跳躍するためには、創意性を基にした科学技術がエンジンにならなければならない。

KAIST融合研究院では、複数の専攻の教授らや学生らが集まって、昼夜を問わず、研究に取り組んでいる。この姿を見れば、大きな希望が見えてくる。間仕切りのない実験室で、自由に想像力を発揮し、失敗を恐れない融合研究が行われている。映画「トランスフォーマー」に出てくる変身ロボットの製作技術、「ハリーポーター」に出てくる透明パンチョなどを作れる新物質。ソフトウェアに感性を被せて、まるで本物の本を見るかのように作ったタブレットソフトウェア、老化関連の複数の病気を治療する技術、微生物でガソリンを作る技術など、創意的な融合研究の結果が次々と出てきている。

研究がしたいと訪れてくる大勢の若い学生らに、「なぜ、科学技術を専攻したいか」と尋ねれば、帰ってくる最初の言葉が、「面白くて好きだから」だ。そして、世界初、あるいは世界最高の技術開発のため、昼夜を問わず、研究に打ち込みたいという。しかし、卒業が迫ってくれば、自分の未来を心配する人たちが多い。針の穴ほど入りづらい教授や拠出研究所のポスト、働き盛りの歳に、解雇を心配しなければならない会社…。そんな状況にぶつかれば、「私がこんな待遇を受けるため、青春を捧げて研究してきたか?」という自責の念にかれれるという。

青春時代、ほぼ全てのことを犠牲にし、研究にまい進してきた科学技術者らが、きちんと優遇されなければ、我々の未来などない。科学技術者らも、自らより一層努力し、基礎研究や応用研究及び産業化研究で、大きな意味のある結果を作り出さなければならない重大な責任がある。

朴槿恵(バク・グンへ)大統領の科学技術への人一倍の愛情は、広く知られている。世界的に厳しい経済環境の中でも、関連予算を増やし続けてきた。昨年末、大統領科学奨学生らを含めた未来科学人材らを、大統領府に招待し、励ましたことがあり、大徳(テドク)特区40周年を記念し、大徳研究団地やKAISTを訪問し、科学技術者らを励ましたことがある。

しかし、東亜(トンア)日報の記事(1日8日付けのA1面)によると、「韓国のノーベル賞」と呼ばれている韓国科学賞の賞金が、従来の5000万ウォンから昨年は3000万ウォンへと減り、若い科学者賞の賞金も減少したという。自分が手がけることに、大きな誇りを持ち、栄誉を重視する科学技術者らが、賞金が減ったとして文句を言うことなどない。しかし、科学技術者らこそ、創造経済のビジョンを国家発展のエンジンに切り替える人たちだという考えを持って、国民や政策当局は、彼らを尊重し、きちんと優遇する国になることを願う。