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今の女優に、綺麗なふり・弱いふり・馬鹿なふりが無くなった

今の女優に、綺麗なふり・弱いふり・馬鹿なふりが無くなった

Posted November. 12, 2013 03:37,   

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女優が変わっている。最近、スクリーンでは、綺麗なふりや弱いふり、馬鹿なふり(白痴美)のいわば「3つのふり」をする女優は見当たらない。

身長が170センチのモデル出身のキム・ソンア(38)は、14日公開する映画「ザ・ファイブ」で、下半身麻痺の障害者・ウンアとして出ている。すらりとした足を自慢するどころか、両足を縛ったまま、電動車椅子に乗っている。ウンアは、殺人犯に夫や娘を殺され、復讐に燃える人物。このような心理状態を表現するため髪は乱れており、殺人犯との戦いのため、顔は傷だらけだ。

来月公開される「自宅に戻る道」の全度姸(チョン・ドヨン=40)も、ファムファタールの魅力を発散する代わりに、麻薬の運び屋の濡れ衣を着せられ、外国の刑務所に入れられるという荒い役を演じている。ハ・ジウォン(35)は、来年初頭に公開する「朝鮮美女三銃士」で、剣術のアクションを披露する。

今夏、311万人の入場客を記録した「風邪」のスエ(34)は、地味な姿で致命的なウイルスワクチンの開発の切り札を握っている医学博士を演じた。弱いふりをせず、血と煤にまみれたまま、ウイルスに感染した娘を助けるため、奮闘する役を演じる。最も綺麗な年頃のハン・ヒョジュ(26)も、「監視者たち」では、非凡な観察力や知力で、犯人の検挙に手柄を上げる刑事の役を演じ、好評を得た。

容姿を打ち出した保護本能を刺激する女優が消えた理由はなんだろうか。専門家らは、韓国映画でホラーやヌアール、アクションなど「荒いジャンル」が主流を成しているからだと分析している。今年、300万人以上を観客を集めた興行作13本のうち、「7号室のプレゼント」や「顔相」、「巫覡ヤクザ」を除いては、全て激しいジャンルだ。激しい映画の雰囲気の中では、女優らの優雅な姿は期待できず、似合いそうも無い。

1990年や2000年代に比べ、女優らが目立つメロやロマンチックコメディは、めっきり減っている。最近、成功したメロ映画は、昨年の「建築学概論」(411万人)ぐらいだ。女性主人公のワントップ映画や、ロマンチックコメディの成績も低迷している。今春、チェ・ガンヒ(36)がワントップに出てきた「ミナの文房具屋」は33万人、キム・ミンジョン(31)を打ち出した「夜の女王」は、25万人を集めるのに止まった。

ある映画制作社の代表は、「チケットパワーのある新しい20代の女優が出てこない。彼女らのイメージや容姿を活かした映画が出ないことも、女優らの中性化に影響を及ぼした」と述べた。クァク・ヨンジン映画評論家は、「韓国映画には、主役が2人以上の場合が多い。そのため、容姿よりは、相手のキャラクターとの相性が重要だ」と話した。

容姿で勝負をする女優らが消えたことについて、シム・ヨンソプ映画評論家は、「韓国社会がかつてより、女性を能動的かつ主体的に見つめるという意味では前向きな現象だ」と解釈した。カン・ユジョン評論家は、「李滄東(イ・チャンドン)監督の『詩』で、尹靜姬(ユン・ジョンヒ)氏が主演として出てくるように、女優が長生きするためには、キャラクターに溶け込む努力をしなければならない。入れ歯の扮装も厭わない『雪国列車』のティルダ・スウィントンがよい例だ」と話した。