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[オピニオン]中央銀行の女性総裁

Posted October. 23, 2013 05:55,   

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米国に続き、イスラエルで初の女性中央銀行総裁が誕生した。国際通貨基金(IMF)のエコノミストとして活躍したカルニト・フルグ副総裁だ。最近、米連邦準備制度(連準=Fed)の次期議長に指名されたジャネット・イエレンのように、フルグも、女性差別を巡る議論や男性候補らの落馬の過程を経たという共通点がある。JPモルガンチェースのジェイコブ・フレンケル会長は、数年前、香港の空港で、「万引き」の容疑で逮捕された事実が、後で明らかになった。もう1人の男性候補は、名が上がってから二日後、「個人的理由がある」として、釈然としない状態で辞退した。

◆国際的名声の高い総裁候補を見つけたというベンヤミン・ネタニヤフ首相がついに20日、フルグを指名すると、野党からは珍しい反応が出てきた。「その過程はやや常識に欠けているが、首相が勇敢に過ちを認め、最善の決定を下した」という賛辞が出たのだ(野党指導者のシェリー・ヤチノビッチは女性だ)。いったい、女性の中央銀行総裁が出てくるのは、なぜこれほど難しいのか。世界177の中央銀行のうち、女性総裁はイエレンやフルグまで含めて19人だ。主要国としては、米国とロシアぐらいだ。

◆女性人材が少なく、家庭と並行するのは激務であり、経済学の専攻者が少ない…などの説明も当たっている。しかし、口には出せないもっと重要な理由がある。「中央銀行は独立性が欠かせない。その一方で、中央銀行総裁の目標と政府との利害関係が一致するという信頼が、基本となっている。政権の中枢とそのような粘っこい『クラブ』に属している女性が、果たしてどれぐらいいるだろうか」。ピーターソン国際経済研究所のカロライン・フロンド首席研究員の指摘だ。

◆「リーマンブラザーズ」ではなく、「リーマンシスターズ」だったなら、08年の金融危機など無かったはずだという主張がある。女性はおおむね、男性より徹底して原則を守り、「世間知らずの正義感」も強いほうだ。最近は、ニューヨークFedの女性審査員・カルメン・セガラが12年、ゴールドマンサックスの消費者利益侵害を取り上げ、解雇されたことが後で分かり、騒々しい。韓国でも金融会社52社の役員のうち、女性は1.8%だが、とりわけ消費者保護の分野だけが女性が多い。女性中央銀行総裁が、金融界を変えるだろうか。それとも、中央銀行のトップになるため、女性が変わるだろうか。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com