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「絶望から立ち上がった女性指導者」 中国に「朴槿恵フィバー」

「絶望から立ち上がった女性指導者」 中国に「朴槿恵フィバー」

Posted June. 26, 2013 03:16,   

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「悲惨な状況から非凡な人生をつくり出した」

「男性中心の社会で女性がどのように自分の夢を叶えたのかを伝える本だ」

中国のオンライン書籍販売サイト「当当網」で販売中の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の自叙伝『絶望は希望を創造する』へのコメントの一部だ。同書は3月15日、中国語版が出て半月で初版1万部が完売し、8000部が増刷された。中国人が朴大統領に対して少なからぬ関心を持っていることを物語る。

朴大統領に対する好感は、女性指導者として不遇のパーソナルヒストリー、中国を重視する外交政策なども一つの要因だ。韓国留学の経験がある会社員の王瑞卓さん(25)は、「政治家は濃い色のスーツを着た老年の男性が大半だが、中国のテレビに現われる朴大統領は笑顔の女性なので注目を集める」と話した。

中国オンライン書籍販売サイトには、朴大統領の関連本が5冊も翻訳されて売られている。5月に出版された『絶望は私を鍛え、希望は私を動かす』は今月初め「海外政治家」分野で販売1位となった。同時期に出版された英国のマーガレット・サッチャー元首相の自叙伝は3位だった。

中国版ツイッター「微博」には、「朴槿恵ファンクラブ」までできた。管理者がソウルに居住する中国人のようだ。2月8日に開設され、25日現在6426人のフォロワーがいる。中国で外国指導者のファンクラブができるのは非常に異例のことだ。朴大統領を除けば、米国のオバマ大統領のファンクラブがあるがフォロワーは155人だ。

朴大統領の訪中が近づき、中国メディアの関心も高まっている。環球時報は25日、朴大統領が過去最大規模の71人の経済使節団を率いて訪問することを強調し、韓中関係の蜜月期を開くことが期待されると報じた。また同紙は、最近の世論調査で、韓国人の83%が韓中関係の未来を楽観していることが明らかになったとし、韓国で中国に対する肯定的な考えが増えていると伝えた。

香港の親中メディア「大公報」は22日、朴大統領が訪中期間に国賓館である釣魚台18号楼に宿泊すると報じた。同紙は、18号楼が英国の女王エリザベス2世、米国のニクソン元大統領などが泊まった所で、「総統楼」と呼ばれると伝えた。歴代の韓国大統領も泊まっているので特別なことではないが、中国メディアが外国首脳の訪中日程を事前に詳細に報道するのは異例のことだ。

新華社通信は20日、「偶然会った私の人生の灯:東方哲学」と題する記事で、朴大統領が馮友蘭の「中国哲学史」を感銘深く読んだという内容を伝えた。同記事は、朴大統領が月刊エッセイ2007年5月号に寄稿した文を基にした。朴大統領が中国の精神世界を尊重していることを伝え、韓中間の情緒的同質性を強調したのだ。「中国哲学史」は、オンライン書店で「韓国の朴槿恵大統領が最も苦しい時期に読んだ本」というコメントがついている。

中国メディアは、朴大統領と習近平国家主席との縁も比重をもって報じている。中国新聞網は1月、「朴槿恵大統領の豊富な海外人脈、習近平主席とも親交」という記事で、朴大統領と習主席が2005年にソウルで会談したことを紹介した。また、習主席がその後、朴大統領を3度招待したが日程が合わず、実現しなかったことを伝えた。今回の国賓訪問を含めれば、習主席が「四顧」したわけだ。

中国の韓国大使館は、朴大統領の今回の訪中を機に、両国国民の隙間を縮め、友好的な雰囲気を盛り上げるために、積極的に「大統領マーケティング」に乗り出している。新華社通信の20日付の記事には、大使館側が朴大統領の過去の寄稿文を中国語に翻訳し、各報道機関に配った苦労が綴られていた。

北京の外交関係者の間では、北朝鮮核問題の処理に関して両国首脳の見解の相違が大きくないという点で、今回の訪中が今までよりも成果が高いという見方もある。