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企業を思う存分躍らせるべきだ

Posted May. 23, 2013 04:21,   

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04年の4.15総選挙直後の出来事だ。当時の李憲宰(イ・ホンジェ)副首相兼財政経済部長官は、経済政策についての野党の協力を求めるため、朴槿恵(パク・グンへ)ハンナラ党代表を訪問した。

しばらく、相手の顔色を伺っていた朴代表は、「(盧武鉉大統領は)企業経営に友好的な環境を作るといわれたが、依然不安が多い」と口火を切った。「雇用創出や景気回復が遅れているのは、政府の企業観への信頼がはっきりしていないためです。総選挙の時、民生現場を歩き回りながら、『大統領の企業観が問題だ』と演説するたびに、拍手の音が大きくなりました」。

李副首相が、「大統領の市場主義をめぐる経済哲学や原則は確固たるものだ。心配しなくてもいい」と切り返したが、朴代表は、「環境に関するものなど最小限のもののみ残し、そのほかの規制は全て無くすべきだ」と畳み掛けた。結局、お手上げの李副首相は、「本当に暑いですね」といそいそと席を離れた。

そのような朴代表が、大統領になると様変わりした。企業観そのものが変わったのかどうかを評価するのはまだ早いが、メッセージが曖昧になった。「原則の通る市場経済の秩序」、「大手企業と中小企業、どちらも締め付けない経済民主化」、「企業に過度な負担を与えない仕事の集中的発注を巡る規制」など、曖昧な修辞に頼っている。挙句の果てに先月、メディア各社の編集局長や報道局長の昼食会では、「各企業は大統領府のメッセージを理解できずにいる」という言葉まで出てきた。これについて大統領は、「一所懸命に働く企業の足を引っ張ることはしないが、社会の大統合を遮る不公正な慣行については正すべきだ。賢明に取り組みたい」と、原論的な答弁に止まった。

自然に、国会が経済民主化ドライブの主導権を握るようになった。今の第19代国会の発足後、発議された議員立法はすでに5000件を超えている。この中には、正常的な企業活動に大きな負担となっているものも多く含まれている。

東亜(トンア)日報は、未曾有の8期連続0%台の低成長の泥沼に陥っている韓国経済を再生させるためには、企業各社を思う存分に躍らせるべきだという趣旨で、20日から「韓国企業に再び翼を」というタイトルのシリーズ記事を連載した。取材の過程で会った企業家らは、経済民主化の立法や過度な規制、内需不振、グローバル景気低迷などのメガトン級の悪材料で苦しんでいるという。その大半は予測できるものだったが、思いもしなかった厳しさを訴える人たちも少なくなった。ほかならぬ、大統領の企業観が分からないという。

朴大統領は、物足りなさを感じるかも知れない。中小企業の輸出を支援し、大手企業の投資を遮る規制を緩和するため、1日、貿易投資振興会議を開き、公共機関が保有している土地を、工場増設を希望する企業に提供する「飴」を出したのだから。

しかし、企業各社が大統領のはっきりしたメッセージを理解するためには、より根本的な規制緩和が必要だ。朴大統領は、「規制緩和は、金をかけずに企業投資を促進できる最も有効な手段だ」と語った。もちろん、金はかからない。しかし、勇気が必要だ。大半の規制は存置を望む人たちがいるはずであり、彼らは少しでも、現状維持が揺らぐことになれば、躍起になってそれを食い止めようとするからだ。実際、政府は、ソウルや仁川(インチョン)、京畿(キョンギ)地域の開発を抑制する首都圏整備計画法施行令の一部を見直すため、立法予告までしたが、地域均衡発展を盾にした非首都圏の激しい反対にぶつかり、最近諦めてしまった。

今日は、朴大統領が9年前、企業観を信用できないと口にした盧武鉉元大統領の4周期の日だ。当初は、財閥解散を主張した盧元大統領は、自分の信念を諦め、一部の「同志」らから変節者と批判されながらも、墜落する経済を立て直すため、LGフィリップスLCD(現在のLGディスプレー)に、京畿坡州市(パジュシ)に大規模な工場を建設させた。そのために改正された工業配置及び工場設立に関する法律施行令は、盧元大統領が就任後、初めて署名した法案だった。今は、朴大統領が勇気を出す時にきている。