Go to contents

あ、帰郷…チェドリの涙

Posted May. 13, 2013 03:07,   

한국어

11日午前5時30分ごろ、京畿果川市(キョンギ・グァンチョンシ)のソウル大公園のイルカ公演会場の後ろに設けられた長さ12メートル、幅6メートル規模のプールの周辺で、10数人の飼育士たちが忙しく動き回っていた。プールの片方にはイルカ一頭が微動もせず、頭だけもたげていた。たまに、飼育士がプールの周辺を通るたびに、そちらに向けて近づくだけだった。野生放流を控えている「チェドリ」だ。

チェドリは現在、わが国の沿岸で版権される5種の鯨の一つであり「ミナミハンドウイルカ」だ。09年、済州(チェジュ)の沖合いでつかまった後、昨年まで、ソウル大公園でイルカショーを行ってきた。動物保護団体などの問題提起を受け、昨年3月、朴元淳(バク・ウォンスン)ソウル市長が、チェドリの野生放流を決定した。

体長が小型自動車サイズのチェドリは、プールの外に取り出し、移動用道具で移すことから大変だった。ソウル大公園のユ・ミジン動物管理チーム長が、「チェドリが自分に危害を加えるのかと思って、プールの外に出たがらないのではないかと心配だ」と話したが、これまで、公演のために、トレーニングを受けてきたチェドリは、水の上に上がるよう指示するシグナルに、力強く飛び上がった。その後、飼育士らが、イルカの体にぴったりの小さな水槽にチェドリを移した後、5トンのトレーラーに乗せて、仁川(インチョン)空港に運送し、アシアナ特別チャーター機で、済州空港に到着した。トレーラーに乗せられたチェドリは、午後2時10分ごろ、済州の目的地である済州城山(ソンサン)港に到着した。ソウル大公園を出発してから5時間後のことだ。

チェドリは、海に放たれた後、自分の居場所を知らせる衛星追跡装置を背びれに付けられ、城山港から船で3分距離の、直系30メートルのイケスに入れられた。ここには、すでに1ヵ月前から入れられていた同じ酒類のイルカ2頭がいた。チェドリは、ほかのイルカ2頭に近づいた後、30分足らずで、一緒に足並みをそろえて泳ぐなど、早く適応する様子を見せた。

チェドリはここで、生きた魚の狩など、半月間の野生適応訓練を受けた後、済州道北部の金寧(キムニョン)に設けられたイケスに移され、最終的な適応訓練を受けることになる。海への放流は、早ければ6月末に行われる予定だ。

今回の放流の最終的成功如何は、動物行動研究を左右ことになる。梨花(イファ)女子大学・エコ科学部のチャン・イグォン教授やチャン・スジン研究員は、今年1月からチェドリの行動を休息や泳ぎなどと、類型別に分析し、野性での行動と比較する研究を行ってきた。

チャン・イグォン教授は、「チェドリは、狭い水槽からより広い水槽に移せば、休息時間を減らし、より長く泳ぐ活発な姿を見せてきた」とし、「イケスでの生活にうまく適応したものは、野生生活での適応にも成功する可能性が高いという研究結果があるだけに、チェドリの自然放流の成功可能性は高い」と主張した。