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趙容弼、親と子どもの世代を統合する疎通の歌王

趙容弼、親と子どもの世代を統合する疎通の歌王

Posted April. 25, 2013 05:51,   

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7080世代(70年代と80年代に大学生活をしながら20代を過ごした世代)にとって趙容弼(チョ・ヨンピル)は時代のアイコンのような歌手だ。カラオケボックスや野球場で「お兄ちゃん!」という言葉が自ずと出るほど、大衆的な人気と音楽的成就を享受した。「歌王」という名に遜色のない歌手だった。しかし、年を取るにつれて、だんだん若かった時の歌唱力が衰えていくのではないかという残念な気持ちができていた。

60歳を越した彼が10年ぶりに「ハロー」という新しいアルバムを発表してセンセーションを巻き起こしている。アルバムが初めて発売された一昨日、数百人のファンが本屋の前で並んで徹夜した。新曲発表場では2000人あまりのファンが「お兄ちゃん」と叫んだ。インターネットでもメロン、エムネットなど音源サイトのリアルタイムチャートで1位〜10位につけた。彼を「過去の伝説」とばかり思っていた人々には驚くべきことだった。

驚異的なのは新しいアルバムそのものが「自己革新」の産物だということだ。63歳という年齢が信じられないほど若い感覚を維持している秘訣について同氏は、「限界に閉じ込められている私の枠を破りたかった」と説明した。そのため、数年間自ら作った曲を全て捨てて、外国の音楽家に曲を依頼した。「ハロー」「バウンス」「ある日、帰路で」など代表曲は従来の音楽とは違う新しいスタイルと評価される。50代の会社員は、「大学時代、よく歌っていたが、今は時代の後ろに退いたと思っていた彼の音楽が再び誕生したのを見て畏敬の念を感じた」と吐露した。

中年歌手の華麗なカムバックは、10代のアイドル中心の音楽市場では大きな「事件」だ。最近、映画、出版、公演界を中心に中年層の消費者が多くなったが、世代間のハードルは相変わらず高かった。ガールズグループ「少女時代」に熱狂するパパは居ても、「パパのような歌手」が好きな少女は殆ど居なかった。

彼の新曲は年齢や性別と関係なく人気を集めている。高年齢層には思い出を、ダンスミュージックに飽きた若者には新鮮な衝撃を与えると評価される。後輩の歌手らは「音楽には年が関係ないというのを証明してくださった先輩。私もさらに頑張ります」(ボア)という感嘆を発している。帰ってきた歌王が親世代と子どもの世代を統合する希望と疎通のメッセンジャーになることを望む。