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[オピニオン]一等コンプレックス

Posted April. 11, 2013 03:18,   

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朝鮮中期の思想家、李栗谷(イ・ユルゴク、1536〜1584)は幼い頃から神童と呼ばれた。しかし、最近出版された『栗谷李珥』評伝によると、彼は立派な家に生まれ、詩画に優れた母親の教えを受けたが、コンプレックスを抱えた問題児だった。16才で母親を亡くした彼は家出をし、1年間僧侶(出家)生活をした。この本を書いた韓永愚(ハン・ヨンウ)ソウル大学名誉教授は、「死にたいと思うほど心の葛藤があったと見えるが、このような彷徨と苦悩を賢く克服し、真の偉人になった」と評価する。

◆2006年、米国の人気リアリティ番組「サバイバル」でアジア系米国人で初めて優勝したクォン・ユル氏のスペックと経歴は華やかだ。スタンフォード大学、イェール大学ロースクールを卒業した後、連邦議員立法補佐官、判事補を務め、マッケンジーとグーグルで働いた。その彼がインタビューで、「私はルーザー(loser・失敗者)だった」と言い、「先生をがっかりさせるのではないか、友人から除け者にされるのではないか、いつも脅えていた」と打ち明けた。

◆見かけはうらやましく見える優等生の内面にも、家族にも分からないコンプレックスと傷があるようだ。最近、韓国社会で「オムチンア」と呼ばれる模範生の自殺が起こっている。ソウル大峙洞(テチドン)で高校3年生が自殺したのに続き、地方の名門高校で全校1位だったクォン君は「頭が心臓を喰っている。これ以上耐えられない」という遺書を残して命を絶った。彼らの自殺の理由は、いつも最高の座を守らなければならないという「1位コンプレックス」のためとみえる。

◆家と学校でほめられて暮らす青少年を何が苦しめるのか。東亜(トンア)日報が成績上位10%内の高校生100人に尋ねたところ、「周囲の期待」(41%)が1位になった。韓国の青少年が早くから他人の視線を意識して暮らしているという証拠だ。成績であれ容姿であれ、常に他人と自分を比較したり、自分の価値を他人から検証される社会は健全ではない。子どもたちに他人の期待に従うよりも、自分がしたい通りにする勇気、崖っぷちから再び始める自己更新の勇気を教えなければならない時だ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員mskoh119@donga.com