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[社説]新検察総長は「韓明淑無罪」の反省と改革を出発点にせよ

[社説]新検察総長は「韓明淑無罪」の反省と改革を出発点にせよ

Posted March. 16, 2013 06:54,   

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新検察総長に蔡東旭(チェ・ドンウク)ソウル高検長が指名された。韓相大(ハン・サンデ)前総長の不名誉退任から3ヵ月半ぶりだ。人事聴聞会の日程を考慮すれば、新任総長は来月初めから任期を始めることができる。新総長は、トップの空席で乱れた組織の戦列を整備すると同時に、検察の改革という重い責任を抱えてスタートする。

一昨日、韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相の5億ドル収賄容疑事件に対して、最高裁が無罪判決を確定した。検察は、議論を呼んだ野党の大物政治家に対する捜査が無罪で終わったことに対して、責任を痛感しなければならない。韓氏は、2010年のソウル市長選に民主党候補として出馬を準備していたが、同事件捜査でダメージを受けた。幸いに、選挙前の1審判決で無罪を言い渡されたが、与党の呉世勲(オ・セフン)候補に0.6%差で負けた。検察は賄賂を与えたというクァク・ヨンウク元大韓(テハン)通運社長が法廷で陳述を覆したため敗訴したと弁明するかもしれない。だが、贈賄者の口だけに頼る捜査をして無罪を判決を受ける検察は無能に見える。強圧捜査をした疑惑もなくない。物証を伴わない捜査と政治的な偏りがごちゃまぜになって最悪の結果が出たことを、総長は肝に銘じるべきだ。

ただでさえ、今や検察の地位は地に落ちている。グレンジャ検事だの、ベンツ女検事だの、数々の汚職が明るみに出ているところへ、昨年には部長検事の億ウォン台の収賄事件と新米検事が女性被疑者にセクハラをした事件など不名誉な大型事件が起きた。こうした事態を収拾する過程で、稀代の検察内部の反発騒ぎが起き、韓氏は辞任を余儀なくされた。当時、崔在卿(チェ・ジェギョン)中央捜査部長は検察総長が中央捜査部の廃止を含めた検察改革案を打ち出すことに反発した。当時最高権次長だった蔡氏も、この検察内部反発騒ぎの責任から自由でない。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は検察改革のため中央捜査部を廃止し、大統領親族の不正行為を捜査するための特別監察官と常設特別検察官制度を導入し、検察内の次官級ポストを減らすと約束した。いずれも検察が既得権を手放さなければならない事案である。新総長をはじめ、検察の構成員みんなが身を削る気持ちで改革に取り組まなければならない。

新総長はソウル出身だが、父親の故郷を取る分類法に沿って全羅北道(チョルラブクド)出身に分類される。朴大統領は検察総長、警察庁長官、国税庁長など主要権力機関のトップに、自身と同じ地域や大学出身を排除した。李明博(イ・ミョンバク)政権が、権力機関の要職に地縁、学閥による側近配置の人事と批判されたことを反面教師にした模様だ。権力機関であるほど地縁、学閥による側近の抜擢を排除した公正な人事をすることが権力型の不祥事の予防にもつながる。