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[オピニオン]米国の関与政策の進化

Posted June. 23, 2012 06:53,   

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国際政治・安全保障の分野で、「エンゲイジメント(engagement)」という用語は、概ね「関与」と訳されるが、多様な意味を持つ。戦争の時には交戦を、平常時には対話を意味する。「太陽政策」で有名な金大中(キム・デジュン)政府の対北朝鮮包容政策や盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の平和繁栄政策も、「関与政策」に属する。

◆金元大統領の対北朝鮮政策を快く思わなかったブッシュ米政府は、初期の頃は北朝鮮を相手にしようとしなかったが、後に「鷹派的関与(hawkish engagement)」政策を展開した。当時、国家安全保障会議(NSC)アジア担当補佐官を務めたビクター・チャー米ジョージタウン大学教授の造語で、強力な圧迫を伴う対北朝鮮交渉論だった。一方、オバマ政府で、対北朝鮮政策特別代表を務めたスティーブン・ボズワース・フレッチャースクール学長は、「頑なな関与(tough engagement)」を主張した。北朝鮮に2度もだまされた経験から、北朝鮮の真正性が証明されるまでは、絶対に大規模な支援はしないという考えだったが、実際は「大半の外交は悪行に対する補償」という考えを持つハト派だった。

◆米国の韓半島政策は、関与政策が進化する過程だった。緻密な準備もなく韓国に関与することになった米国は、1950年に米国の北東アジア防衛線「アチソンライン」から韓国を除くことで、脱関与の信号を送った。ベトナム戦の失敗後に政権に就いたカーター政府は、同盟の「関与(entrapment)」の危険性を避け、在韓米軍の撤収を宣言し、韓国と本格的な離婚の手続を踏んだ。

◆オバマ政府の国防政策を総括したミシェル・フロノイ前国防次官は、国際政治専門誌「フォーリン・アフェアーズ」で、米国の国防政策の新たな基調を「積極的関与(forward engagement)」と規定した。国防予算の削減にもかかわらず、アジア太平洋地域の米軍基地に前線配備するという意味だ。米国の軍事力に同盟国や友好国が無賃乗車する方法ではなく、苦痛分担の互恵的関係を築くという意味も含まれている。来年には、韓国と米国で新政府が発足する。中国の浮上や不安定な北朝鮮の管理への「関与」は、両新政府に共通の悩みになるだろう。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com