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[社説]「教会の選挙中立」、鄭枢機卿のメッセージを肝に銘じるべきだ

[社説]「教会の選挙中立」、鄭枢機卿のメッセージを肝に銘じるべきだ

Posted April. 04, 2012 05:47,   

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カトリックソウル大教区長の鄭鎭奭(チョン・ジンソク)枢機卿は、復活祭のメッセージで4・11総選挙と関連し、「教会が共同体の深刻な分裂を引き起こしかねず、特定政党や候補に対し、公に支持したり拒否することを慎むべきだ」と呼びかけた。鄭枢機卿のメッセージはまず、カトリック教会に向けられたものだ。姜禹一(カン・ウイル)・濟州(チェジュ)教区長が率いるカトリック司教会議は、李明博(イ・ミョンバク)政権発足後、主要4河川再生事業や濟州海軍基地建設、韓米自由貿易協定(FTA)に反対してきた。聖堂によっては、ミサのメッセージ時間に特定政党を擁護したり、批判する発言を行い、信者らが眉をひそめることが少なくなかった。

昨年、6・2無償給食を巡る住民投票や10・26ソウル市長選挙の際は、ソウル江南(カンナム)地域の一部の大型教会では、メッセージで、与党ハンナラ党への支持を力説する牧師らがいた。李大統領への批判や野党支持発言でメッセージを終始した進歩性向の牧師らも少なくない。仏教にも、プロテスタント教徒の大統領への反感のため、信者らに対し、野党圏候補への支持を訴える和尚がいる一方、与野党を離れ、個人的なつながりがあるだれだれに投票するよう、呼びかける和尚らもいる。

総選挙を3日後に控える8日は復活祭で、キリスト教の祝日だ。国会議員候補らが大勢、プロテスタント教会やカトリック教会を訪れ、一票を訴えるものと見られる。かつての例から見れば、一部の牧師や神父らは、「何々候補が、挨拶に来ている」と言うふうに触れたり、その候補を立たせて、挨拶をさせるやり方で支援している。

セヌリ党の朴槿惠(バク・グンヘ)非常対策委員長と民主統合党の丁世均(チョン・セギュン)常任顧問は先月28日、曹溪宗(チョゲジョン)のジンジェ和尚の宗正推戴法会に並んで出席した。政治家らが教会や聖堂、お寺の行事に顔を出すのは、信仰とはかけ離れた行為であり、純粋な信者らの目には芳しいこととは映らない。宗教団体は、一般的な利益団体とは違う。政治家が宗教を利用することを考えなければ、宗教関係者も政治と距離を置くことができる。

宗教関係者が、鄭枢機卿のメッセージのように、「冷静かつ理性的な判断で、韓国の未来や幸せに最も望ましい選択が何かを、深く考えること」と、個人的な政治的見解を信者らに伝えることとは区別しなければならない。憲法では、特に政教分離の原則を定めている。国家は宗教に対し、中立的態度をとらなければならず、宗教も政党や政治家に対し、中立的な立場を取るのが正しい。宗教の特定政党、または政治家の支持行為が、共同体の深刻な分裂を引き起こし、和合を疎外しかねないという鄭枢機卿の懸念は、吟味するに値する。