「日本政府は、深い失望と遺憾の意を表わし、抜本的な是正を求める」
政府は30日、異例にも「失望」という表現を含めた声明を出し、日本の中学校社会科教科書の歪曲を抗議した。しかし、同日発表された政府の対応は、過去よりも水位が低いと評価され、政府が過度に慎重なのではないかという指摘も出ている。
●政府、初めて「失望」の表現を使った理由
李明博(イ・ミョンバク)政府は発足後、日本教科書の独島領有権主張に対して、外交通商部報道官を通じて2つの声明と論評を出した。30日、政府の公式見解を明らかにする文書に初めて含まれた「失望」という表現は、政府当局者らの率直な心境が込められた象徴的な表現とみられる。
実際、政府内では、日本の東北関東大地震後、韓国の心からの支援で、日本政府が教科書の独島主張を緩和するか、発表の時期を遅らせるのではないかという期待がなくはなかった。政府は、駐日韓国大使館など様々な外交チャンネルを通じて、日本側に自制を求めた。先週から、メディアに「断固たる対応」方針を明らかにし、日本政府に圧力をかけていた。
しかし、日本側が発表を強行したことに対して、政府当局者は当惑を隠せなかった。ある当局者は、「日本が本当にああするほかないのか嘆かわしい」と話した。
●過去より低い対応水位
同日の声明は、「失望」という表現を除けば、過去と大きく違いはない。「強力な抗議」と「即時是正」は、08年7月14日の日本の中学校教科書学習指導要領解説書の発表を非難する声明の二番煎じだ。日本の「真正性」を求める内容も、昨年3月30日の小学校教科書検定の結果が発表された後の声明で使われたものだ。
政府は、当局者が平素から口を開けば強調する「独島の実効的支配の強化」など、日本を刺激する表現は一度も使っていない。政府は08年7月の前例によって、権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日韓国大使の召還も内部的に検討しているが、「大使が特別な成果もなく再び日本に戻れば、体面を失う」として、決定に踏み切れないという。
最も効果的な対応戦略として挙げられる高官クラスの独島訪問も、議論すらされていない。08年7月、韓昇洙(ハン・スンス)首相(当時)が、政府樹立後、首相としては初めて独島を訪問すると、日本政府は直ちに「不適切な行動」だと不満を示した。
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