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「主体100年」の北朝鮮、金正恩氏立てる政治スローガンの氾濫か

「主体100年」の北朝鮮、金正恩氏立てる政治スローガンの氾濫か

Posted December. 27, 2010 10:22,   

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北朝鮮は来年、独自の年号で「主体100年」を迎える。来年は、「強盛大国の門を開く年」(2012年)を1年後に控えた年でもある。北朝鮮は、来年1月1日に発表する新年共同社説にどのような対内外政策を掲げるのか。特に、北朝鮮が、今年内部的には3代世襲を公式化し、対外的には韓国と軍事的衝突を起こした後であるため、注目される。

●主体100年記念の政治スローガンに注目

西江(ソガン)大学の金英秀(キム・ヨンス)教授は、「主体100年という象徴的な年号を迎え、建国初期に朝鮮革命の進路を提起した時のように、自信に満ちた語調で未来ビジョンを提示するだろう」と見通した。昨年の社説で、明るくて未来志向的なムードを強調したのに続き、動揺する住民の歓心を買うために、政治スローガンを多用する可能性が高いということだ。

しかし、金教授は、「形容詞と副詞だけであり、具体的な数字(何%達成など)のない社説になるだろう」と指摘し、北朝鮮指導部が住民に希望は示すが、具体的なアクションプランを出すことができず、人民を失望させる内容になるだろうと見通した。

新年の社説には、3代世襲後継者になった金正日(キム・ジョンイル)総書記の3男、金正恩(キム・ジョンウン)氏の存在が、どのような形であれ言及されるものとみられる。今年9月28日の労働党代表者会で党中央軍事委副委員長を務め、対内外に姿を現した正恩氏を広報する必要があるためだ。

高麗(コリョ)大学の柳浩烈(ユ・ホヨル)教授は、「金日成(キム・イルソン)主席の子孫を指す『万景台(マンギョンデ)血統』や『白頭(ペクトゥ)血統』、『代を継いで忠誠を尽くそう』などの言及が出る可能性があり、『大将福』を掲げる可能性もある」と指摘した。

●人民の生活向上か、「主体の鉄」か

梨花(イファ)女子大学の鉠東昊(チョ・ドンホ)教授は、「2010年社説が『人民生活経済』を強調してタイトルに選んだように、今年の社説も、経済建設にかなりの量を割愛するだろう。来年は、北朝鮮指導部が明らかにした経済強国の完成を1年後に控えた年であり、金正恩氏の政治功績をつくるために、経済にすべてをかける必要があるためだ」と指摘した。鉠教授は、北朝鮮の計画経済は不振だが、市場経済の好調で北朝鮮経済の状況はそれほど悪くないという前提で、このように述べた。

しかし、北朝鮮大学院大学の梁文秀(ヤン・ムンス)教授は、「経済的強盛大国の建設は、事実上不可能なため、最悪の場合、社説が『強盛大国』を言及しない可能性もある」と見通した。梁教授は、「この場合、『主体鉄』や、化学工場や発電所などのいくつかの経済的成果が象徴的に言及されるだろう」と指摘した。

●対南「核恐喝」続けるのか

対外分野では、何よりも韓国に対する核戦争の脅威が含まれるかが関心事だ。北朝鮮は、07年の社説などで核保有を強弁したことはあるが、まだ核で韓国を威嚇する内容を社説に書いたことはない。

しかし、今年、ウラン濃縮施設を公開し、3度目の核実験を準備している状況で、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長(8月24日)や金英春(キム・ヨンチュン)人民武力部長(12月23日)が、「核抑止力による聖戦」を言及した状況であり、事情が変わる可能性があるという見方もある。

東国(トングク)大学の金榕鍱(キム・ヨンヒョン)教授は、「来月、米中首脳会談を控え、6者協議など、米朝直接対話に消極的な米国のオバマ政府に圧力をかける意味でも、(韓国に対する)核威嚇をする可能性がある」と強調した。

●米国には融和、韓国には強硬メッセージ?

専門家らは概ね、北朝鮮が米国に対しては融和攻勢をすると見通した。すでに、韓国との関係が悪化した状況で、米国には6者協議の再開など融和メッセージを送り、米朝直接対話、対北朝鮮制裁の緩和などを狙う可能性が高いという観測だ。

しかし、全般的な対南メッセージについては、意見が錯綜した。金榕鍱教授は、「韓国に対しては、延坪島(ヨンピョンド)砲撃に対する国際社会の非難に頭を下げる形を避け、緊張を維持する発言を続けて、韓国政府の対北朝鮮政策の転換を求めるだろう」と見通した。いっぽう、統一研究院の朴泂重(パク・ヒョンジュン)研究委員は、「北朝鮮は大きな挑発の後、融和攻勢をしかけてきたという点で、韓国を含む全般的な対外政策で融和基調に切り替える可能性がある」と指摘した。



kyle@donga.com