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現代車の非正規職労組がスト、生産ライン稼動停止

現代車の非正規職労組がスト、生産ライン稼動停止

Posted November. 18, 2010 07:45,   

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17日午前9時ごろ、現代(ヒョンデ)自動車・蔚山(ウルサン)工場の第3工場。アバンテMDを生産する工場に勤務する非正規職労組所属の組合員130人余りは、執行部が送った「今からスト突入」という携帯電話のメールを見ると、一斉に生産ラインを離れた。コンベアシステムで稼動している自動車生産ラインは、同組合員らの離脱で即座に止まった。

●雪だるま式に膨らむ被害

現代車・蔚山工場第3工場の日勤の正社員や社内下請け労働者は計3200人。このうち、わずか4%の非正規組合員がラインから抜けただけで、生産ラインが止まった。会社側が代替で人を投入しようとしたが、非正規職組合員が生産ラインを占拠したためだ。これらの組合員は約3時間、生産ラインを占拠し、午前11時50分ごろに現場を離脱し、生産ラインは午後1時から、正常稼動した。

サンタフェやベラクルーズ、アバンテHDを生産する蔚山第2工場でも、似たような事態が起きた。ベルナとクリック新型アクセントを生産する第1工場は、非正規職組合員がドアの取り外し工程から占拠し、17日までの3日間、生産が全面中止となっている。

現代車は、非正規職労組のストにより、これまで4269台の車が生産できず、420億ウォンの売上損失をこうむったと主張した。非正規職労組は、「元受会社である現代車が、社内下請け会社の労働者を正社員に転換する時まで、ストを続ける」と明らかにした。現代車は、最高裁が下請け会社の使用主の独自性や独立性を認めているだけに、下請け会社の労働者と現代車とは、労働契約関係がないという見方を示している。

●最高裁判決が原因

今回、現代車・蔚山工場の非正規職労組ストの直接的な原因は、現代車・シート事業部の社内下請け会社のトンソン企業が、内部事情により廃業、事業権を引き継いだチョンムン企業が、労働契約書の締結を要求したのが引き金となった。旧トンソン企業の職員59人のうち30人は、労働契約書に署名したが、非正規職組合員29人は、「非正規職を認める労働契約者に署名できない」と、正社員への転換を要求し、15日からストに突入した。

非正規職労組が、正社員への転換を要求しているのは、今年7月22日の最高裁の判決のため。最高裁は、現代車の社内下請け会社で勤務し、05年2月に解雇されたチェ某氏(34)が、中央労働委員長を相手に起こした「不当解雇や不当労働行為救済の再審判定の取り消し」請求訴訟で、原告敗訴を判決した原審を破り、事件をソウル高裁に差し戻した。

「チェ氏が、コンベアベルトで正社員と共に、元受会社の指示と統制を受けた事実などから見て、現代車から作業指揮を受けた派遣労働者と認められる。派遣労働者は2年が経過した時点で、元受会社の正社員とみなすべきだ」というのが判決の要旨。それを受け、労組は現代車に対し、正社員への転換を要求する一方、今月初頭、1941人が正社員への転換を要求する集団訴訟を起こした。

しかし、雇用労働部(雇用部)は今回のストを、「労働環境の改善ではなく、正社員への転換を要求するストは不法」という有権解釈を下した。雇用部の関係者は、「中央労働委員会が15日、現代車の非正規職労組が申請した労働争議調整申請について『現代車の元受会社と非正規職労組との間に、直接雇用関係とは断定できず、労働争議の要件を満たしていない』という行政指導を行ったにも関わらず、ストを起こしたのは不法とみなすことができる」と明らかにした。

●検察、強硬対応

蔚山地検は同日、「労働者の地位確認要求は、労働条件に関するものではなく、ストの目的になり得ない」と述べ、非正規職労組のストを不法と規定した。検察は、「最高裁で破棄・差し戻された事件が現在、ソウル高裁で裁判手続きが進められているので、最高裁の判決を根拠に、正社員への転換を要求して行うストは不法だ」と付け加えた。



raks@donga.com zozo@donga.com