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「世界の辺境地で韓国青年に会うと、感動する」 潘基文国連事務総長インタビュー

「世界の辺境地で韓国青年に会うと、感動する」 潘基文国連事務総長インタビュー

Posted November. 16, 2010 08:55,   

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潘基文(パン・ギムン)事務総長は、辺境地域で会った韓国の青年について話し、「韓国の青年が、国際社会に目を向けていることを実感した」と話した。

「なぜ、この学生がここに来ているのか考えました。どれほど苦労したことでしょう。その苦労は、ソウルにいる人々には、想像できないでしょう。これは、肯定的なことです。世界的なビジョンを持ち、世界市民としての考えを持てば、すべきことは多いです。本人の能力とビジョンの開発にも、役に立ちます。そのことをまさに国際社会が、韓国人に期待している姿です」

——韓国は、政府開発援助(ODA)規模を20年までに、経済協力開発機構(OECD)加盟国の国民総所得(GNI)対比ODA規模の平均値(0.7%)まで引き上げる計画を発表したが、適切だと考えるか。

「韓国は、OECD開発援助委員会(DAC)に参加し、過去の支援を受ける立場から抜け出し、名実共に援助供与国へ成長しました。その水準を国連が追求する0.7%水準に達成しなければなりません。国際社会の期待が高く、韓国政府の負担も大きいですが、支援の姿勢が必要な時だと考えます」

——今回のG20会議で、「コリアイニシアチブ」として提示した開発協力議題は、開発途上国の成長潜在力を育てる自立に焦点を合わせた反面、国連のミレニアム開発目標(MDGs)は、財政的支援を必要とするため、志向点が異なるという指摘があるが…。

「9月の国連総会の期間に、行動課題を採択したMDGsとソウルで、発表した行動計画は連動するので、MDGs達成に推進力を得たと考えます。アプローチの方法は違っても、志向する目標が同じであるため、競争関係ではなく、相互補完的だと言えます」

——G20の重要性にスポットライトが集中したため、国際社会を代表する機構として、国連の地位が弱まるのではないかとの見方もある。

「そのような見方があることを私も承知している。G20の人口、経済的比重が80%を上回るため、そこで決定されたことが、国際秩序に多大な影響を及ぼすためです。しかし、G20首脳会議の発足経緯が、先進国で発生した経済危機の解決へ向けたものであるということを知らなければなりません。私は、第1回G20首脳会議から、『G20各国が直面した経済危機を克服するために、景気刺激策や節約政策を取ることは大歓迎だが、開発途上国の困難や貧困克服を等閑視してはならない』と指摘してきました。G20各国が、互いに透明性をもち、包容してこそ、正統性を得ることができます。韓国政府は、このような建議を初めて受け入れました。私も、16日の国連で、ソウル会議の経過を報告する予定です」

——韓国の野党では、今回のG20ソウル首脳会議が、経常収支参考指針を策定できなかった点を指摘し、「失敗した首脳会議」という評価を下したが…。

「見方が違いますが、経常収支の指針を定めることや通貨問題などは、今回の首脳会議の開催前から、全世界の憂慮であり、関心事でした。ともすると、ソウル首脳会議自体が、通貨問題に埋もれ、空転するところでした。しかし、慶州(キョンジュ)で開かれた財務相・中央銀行総裁会議で、韓国が調整力を発揮し、李明博(イ・ミョンバク)大統領が、直接、各国首脳に電話をし、介入しました。このような問題が、全体の国際経済や開発問題を乱す口実を与えてはならないということです。そのため、時間をかけようという共感が形成され、そのおかげで、開発問題も深く議論できました。100大実践課題の作成は、国連だけでなく、多くの開発途上国が歓迎する内容でした」

——G20ソウル首脳会議について総評するなら…。

「計5回開かれたG20首脳会議の中で、今回の会議が最も成功的だというのが、出席した首脳の共通の評価です。もちろん、フランスに決定を先送りしたことが1、2つありますが、今回の会議で多くの合意がなされ、全般的に大成功だったと言えます。外国の首脳は、韓国人は仕事ができることを知っていましたが、実際にやって来て、少しの支障もなく、完璧にコンピューターのように事が進むのを見て、感心しました。初日のレセプションと晩餐が行われた国立中央博物館の規模や内容にも、驚いていました。私も、国立中央博物館を初めて見て、驚きました。国連総会は、韓国のように首脳の儀典を詳細に準備することはできません。首脳もそのようなこと(不便)は我慢します」

——天安艦事件に対する国連安全保障理事会の議長声明を巡り、国内の一部では、攻撃主体が誰なのか曖昧だと主張する。

「議長声明をよく読めば、誰が(攻撃)主体なのか知ることができます。もちろん、もう少し正確に明示したなら、良かったと思いますが、国際的な現実を完全には無視できません。国連安保理の合意の産物であることを理解しなければなりません」

——南北関係の改善と韓半島の平和のための構想があるなら…。

「北朝鮮が、韓半島の非核化に向けた約束を実践することが必要です。国連事務総長として、韓半島の平和と安定を望み、南北関係の改善のために必要なことなら、訪朝も含め、いつでも貢献する用意があります」

——これまでの総長職の遂行について、どう評価するか。

「今、国際社会は多重的な危機を経験しており、これを解決することに、国連の役割がいつになく求められています。多重的な危機とは、現在、直面している経済危機、気候変動、水不足、食糧・エネルギー不足、人権弾圧、民主化問題など、様々なことが同時に現れています。私は、気候変動問題を最優先課題に設定し、貧困撲滅、病気予防、教育増大など努力していますが、まだしなければならないことが山積です」

——一部の野党政治家が、次期大統領候補の擁立で、事務総長の名前を挙げている。

「そのように名前が挙がること自体、望ましくありません。国民の支持と声援で、私が国連事務総長に当選し、そのような国民の期待によって、精力的に仕事をしています。そのような発言は、全く役に立ちません」



spear@donga.com