ミャンマーは、北朝鮮とともに世界最悪の人権弾圧国家リストに載る代表的な国だ。１９４８年に英国の植民地から独立したミャンマーは、一時はフィリピンとともに東南アジアの豊かな国だった。６２年のクーデターで政権の座についた軍部政権が、「ビルマ式社会主義」を標榜し、長期政権についた結果、北朝鮮同様の最悪の独裁国家に転落した。ミャンマーは、７５年に韓国、北朝鮮と同時に国交を樹立したが、北朝鮮とは８３年に、アウンサンテロ事件で断交した。その後、０７年に関係を回復し、緊密な関係を維持している。
◆ミャンマーは、４８年間にわたって軍部独裁政権が、北朝鮮は６２年間、金日成（キム・イルソン）金正日（キム・ジョンイル）親子の世襲政権が、先軍政治で長期政権を続けている。北朝鮮は、ミャンマーに兵器を輸出し、食糧などの提供を受ける。昨年１０月、米国下院で、北朝鮮がミャンマーを兵器取引の中間基地として活用し、ミャンマーは、北朝鮮から核計画に利用できる技術を購入したという疑惑が提起された。ミャンマーは０５年、首都をヤンゴンから、奥深い山岳地帯に秘密に移し、世界の嘲笑を受けた。
◆６２年の軍部政権から２８年経った９０年に実施された初の総選挙では、アウン・サン・スー・チーさん（６５）が率いる野党が圧勝したが、軍政は選挙を無効にし、政権移譲を拒否した。それから２０年経った７日、野党の出馬が封鎖された中で行われた総選挙では、軍政が支持する政党が勝ったが、混乱が続いている。オックスフォード大学の博士課程で学んでいたスー・チーさんは８８年、母親の看病のために帰国した際、民主化運動に飛び込んだ。９１年にノーベル平和賞を受賞したスー・チーさんは、２１年間のうち１５年もの間、自宅軟禁の状態だったが、１３日に軟禁が解除された。
◆北朝鮮には、スー・チーさんのような民主化運動の象徴的な人がいない。中国の劉暁波さんのような反体制人物もいない。北朝鮮は、民主化人権運動が芽生え、巨木に育つまで放ってはおかない。容赦なく殺したり、政治犯収容所に送ったりする。劉暁波さんのような人物が民主化要求の宣言を発表しても、言論活動が徹底的に統制され、北朝鮮の内部と外部の世界には知らされない。北朝鮮の政治犯収容所では、今でも民主化運動家が無念の死にさらされているかもしれない。
権順沢（クォン・スンテク）論説委員maypole＠donga.com
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