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[オピニオン]ポスコの定年延長

Posted October. 26, 2010 08:38,   

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今年、55歳の1955年生まれの人は、韓国戦争後のベビーブーム世代(1955〜1963年生まれ)の長男だ。同じ年の人口が多く、上級学校へ進学のたびに、激しい入試戦争を戦った。社会に出てからも、競争から生き残るため、前に向かって全力で走った。子供の大学卒業や就職、結婚まで面倒を見るためには、さらに働かなければならないが、定年まで残り少なく、それさえも全うすることが容易ではない。健康医学が発達し、寿命が延び、70代や80代になっても、元気な高齢者は多い。60歳になる前に会社を辞め、遊ぶには健康や若さが余りにももったいない。

◆企業からみても、豊富な業務経験や熟練された技を引き続き活用したいが、給料の高い労働者が多いほど、経営に負担となるため、やむを得ず、退職を迫るケースが多い。フランスでは年金支給年齢を引き下げ、定年の60歳から62歳へと延長を試み、大規模な抵抗にあったものの、そのまま可決された。もっと働きたくても、55歳や58歳に退職を迫る韓国労働者にとって、62歳まで働けるフランスの労働者がうらやましいばかりだ。

◆ポスコが定年を56歳から58歳に引き上げたものの、賃金を減らす賃金ピーク制の導入を推進している。52歳から56歳までは賃金を据え置き、定年が延長される2年間は、賃金を56歳を基準に毎年10%ずつ削減する構造だ。賃金ピーク制は、企業には人件費の追加負担なく、熟練人材を活用することができ、新規人材を採用する余力も生じる。労働者は、雇用と安定的な所得保障を受けることになる。今年上半期現在、100人以上の事業所8399社のうち、937社(11.2%)が同制度を取り入れている。

◆子供の教育が一段落すると、家庭では使う金が大幅に減る。50代半ばや後半に差し掛かれば、ピーク時の賃金の半分でも、働きたい人々が多い。賃金ピーク制は、経済活動人口の減少を減らし、高齢者人口への社会的費用負担を減らすことができ、国からみてもプラスだ。65歳以上の高齢者は、40年になると15〜64歳の人口が半分を超えるという試算も出ている。最善策は、高齢者が働きながら、自らを養うことだ。とはいえ、若者の失業率が高すぎ、若者らが定年延長をどう受け止めるかが気になる。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jjinnyong@donga.com